2013年11月17日

グローバル茨城。内向きの兵庫



兵庫県の工場立地件数が、前年同期1位から今年の上期は4位に後退しました。

兵庫県内の工場立地件数、上期は全国4位(神戸新聞NEXT)
前年同期の全国1位から4位に後退したが、大規模太陽光発電所(メガソーラー)を含む「電気業」を除けば全国1位だった。立地面積はメガソーラーが寄与し、40・4%増の63・3ヘクタールで全国12位だった。
件数の内訳は新設32件、増設7件。地域別では、神戸市三田市を含む「阪神」と、「西播磨」がいずれも11件で最も多く、以下「東播磨」10件などが続いた。
では、1位になったのはどこかというと、北関東の隠し玉・茨城県です。

北関東3県の工場立地2.4倍 1~6月(日本経済新聞)
経済産業省が15日発表した2013年1~6月期の工場立地動向調査によると、北関東3県の立地件数はそろって増え、前年同期比で2.4倍の計144件だった。
(中略)
立地件数が前年同期比3.7倍の56件と全国1位だったのが茨城県だ。
いま、日本の産業界で最もホットな県は、茨城県じゃないか?といったら関西人はピンと来ないかもしれません。

茨城県の名物は「工場立地」という意外な真実(東洋経済オンライン)
茨城県を中核とする北関東が今や工場立地では日本一のスポットになっている。2000~09年の10年間の工場立地面積累計で、茨城県は1200ヘクタール(ha)と断トツである。
(中略)
最近、茨城県に新規に立地した企業を見ても、日野自動車メルセデス・ベンツコマツ日立建機アシックス雪印伊藤ハムと多彩だ。
(中略)
港湾も茨城港日立港常陸那珂港大洗港)、鹿島港がある。中国などのアジアを含めた世界市場への製品物流を考えれば、これらの港湾インフラが大きな武器になる。首都圏市場だけでなく、世界市場をにらんで工場立地できる利点がある。
広大な平地を持つ北関東の中で、輸送拠点になる港湾を有する茨城県。

企業は、アジアなど世界市場を見据えた工場立地先として茨城県を選択しています。単に首都圏市場を対象にした(近郊農業的な)意味合いだけではありません。
この点で、(関東平野ほどではないにしろ、)播磨にも安くて平らな土地や国際拠点港湾姫路港があるのですから、負けてはいられません。

かつてアジアを代表する世界有数だった神戸港が、香港シンガポール高雄釜山に抜かれ、いまや見る影もなくなってしまいました。
工場立地も「兵庫県が多かったときがあったよね」と、過去の話になるかもしれません。

北関東自動車道が全線開通し、北関東唯一の茨城空港にはあっさり中国からLCCが飛んでくる。
今のグローバル茨城を見ていると、鎖国兵庫のままだと神戸港の二の舞になる気がします。

参考
神戸にアムステルダムから船が来なくなった本当の理由(372log@姫路)

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Posted by miki at 00:00Comments(3)社会