2013年03月04日

京都に学ぶ、姫路観光を首都圏に売り出す視点

そうだ京都行こう集 KYOUTO(YouTube)

東京にいたとき、京都のブランド力は抜群だと感じたものです。京都は確かに歴史があり、文化的な価値もありますが、首都圏にだって鎌倉日光があります。そんな大騒ぎするほどのことでもありません。

それに、古都といっても、歴史なら奈良播磨だって古い。
例えば京都の古そうな寺社をいくつか見ると、
不詳(紀元前90年?) 下賀茂神社
603年 広隆寺
656年 八坂神社
678年 上賀茂神社
711年 伏見稲荷大社
770年 鞍馬寺
ですが、播磨でも
144または564年 伊和神社(宍粟市)
581年 鶏足寺(姫路・太陽公園
589年 鶴林寺加古川市
606年 斑鳩寺太子町
734年 広峯神社(姫路市)
735年 随願寺(姫路市)
と、遜色ありません。

ではなぜ首都圏で京都ブランドが絶大なのか?
京都の人が商売上手、PR上手なのか?
はたまた関西財界が京都を首都圏に売り込んでいるからか?

おそらく、そうではないでしょう。

理由の1つは、JR東海のPR力ではないかと思います。
関西ではほとんど見ることができませんが、首都圏ではJR東海の「そうだ 行こう 京都」のテレビCMがよく流れています。
このCMがまた、よくできているのです。(上掲動画を参照)

なんで名古屋の企業が、かくも熱心に首都圏で京都をPRするのか?

首都圏-京都間の移動はJR東海の独占状態。航空機だと、伊丹からもそんなに便利ではないし、首都圏から伊丹に飛んでもやや逆戻りする必要があるので、航空機利用は少ないと思います。

つまり、首都圏で京都をPRすれば、ほとんどJR東海に結果が返ってくる。投資対効果が明確です。

びわこ空港が完成し、首都圏-京都間でもある程度の割合で航空機需要ができれば、JR東海は京都観光を売り込んでも、航空会社に何割かの旨みを与えてしまいます。
自社で投資したPR費は、できるだけ自社で回収したいと考えれば、航空会社という競合が現在のところない「京都」の売り込みには熱心になります。

姫路は京都とJR東海の関係から何が学べるのか。

京都と同様、播磨空港ができるまで(かつ東京便ができるまで)は姫路も空港空白地帯。首都圏-姫路間は新幹線が独占に近い。
首都圏で姫路をPRして、効果を明確に実感できるのはJR東海(および一部はJR西日本)です。

JR東海とJR西日本は(グループ内)別会社なので、すべてをJR東海が回収できるわけではありませんが、京都と同様の効果がJR東海にあります。

名古屋の企業であっても、関西の一都市を、かくも熱心にPRし、自治体や関西総がかりでPRするよりも効果を上げているかもしれないという事例は、姫路にも参考になるのではないかと思います。

もし姫路の観光関係のかたがJR東海に目を向けていないとしたら、ちょっとした盲点なんじゃないでしょうか。
JR西日本とJR東海は一部では競合もする、別企業です。

参考
日本最古の寺院が姫路にあった?(372log@姫路)
JR東海道新幹線 VS JR東海道本線新快速(大塚良治の鉄道ブログ) - 米原新大阪間は、在来線である東海道本線と、東海道新幹線の2つのルートがあります。東海道本線米原-新大阪-神戸間はJR西日本、東海道新幹線はJR東海の管轄です。つまり、米原-新大阪間では、JR西日本とJR東海は競合関係にあります。(ブログより)

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Posted by miki at 00:00Comments(5)観光