2008年02月01日

フィレンツェにLRT。姫路にも軌道を「描こう」

イタリアフィレンツェ

姫路とフィレンツェの類似点で、「街の中央駅(サンタマリア・ノヴェッラ駅)を降りると、路面電車も地下鉄も見当たらず、バスが大活躍の街であること。(姫路も、バスが大活躍ですよね。)」と書いてましたが、フィレンツェも昨秋からLRTを建設中だそうです。

【フィレンツェ】トラム1号線レール敷設開始(海外LRTニュース・ひろい読み)
トスカーナの中心都市フィレンツェ(Firenze / Florence)で,路面電車(TramVia)1号線のレールを敷設する工事が,10/08から開始されました.
建設工事は,2008年12月末までに全て終了する予定だそうです.

3路線の建設で7~10億ユーロ(1100~1500億円)とか。市民でも賛否が分かれていたけど、結局造り始めたんですね。
私なんて、こんなに金かけるなら、1台2000万円(?)の低床バスをたくさん買って、そこらじゅう10分に1本ずつ深夜まで走らせたほうがいいと思ってしまうのですが。
LRTといえども鉄道なので、架線や線路の保線業務や運行経費はかなりかかると思いますし、ルート変更も簡単にはできません。架線が景観に与える影響も大きく、フィレンツェでは大聖堂の近くだけ架線レスにするという苦肉の策をとっています。

LRTは国内でも富山に続いて、各地で検討が進められています。

阪堺線の堺市内区間「公有」で再生へ LRT新線と接続(asahi.com)
堺市は、赤字で存続が危ぶまれている大阪府内唯一の路面電車・阪堺電気軌道の同市内区間について、線路や車両を公費で近代化し、運行を民間に委ねる「公有民営化」方式で再生させる方針を決めた。市は、阪堺線と交差する形で次世代型路面電車(LRT)の新線を建設する予定で、阪堺線との直通運転によって乗客数の確保を図る。ただ、市が計画している臨海部への延伸部分を含めると、事業費が総額で300億円前後に膨れ上がる可能性もあり、巨額の財政負担が論議を呼びそうだ。

岡山市が都市交通戦略会議 吉備線のLRT化視野 路面電車環状化も協議へ (山陽新聞)
JR吉備線岡山総社間20・4キロ)の次世代型路面電車(LRT)化を視野に、岡山市は29日、有識者らによる「市都市交通戦略検討会議」を設立し、市役所で初会合を開いた。検討会議は来年3月まで会合を重ね、都心部と周辺部のアクセスや都市部における回遊性の向上策などを協議。公共交通の充実を軸とする「都市交通戦略」(2009―13年度)をまとめる。
国は2016年度までに、全国のおおむね10都市でLRTの整備支援を進める方針。都市交通戦略の策定は、LRT導入に向けた国補助を受ける条件となっている。

ところがバスに比べた決定的なメリットがどうも理解できません。「定時性の確保」と言いますが、専用軌道が少なくて渋滞の多い道路併用軌道だと、運行に融通が利かないので、ダイヤは乱れるでしょう。バスだって専用レーンを多くすれば定時性は確保できます。
バスの運行については、鹿児島だって、鳥取だって、頑張ってます。

バス運行情報システム導入を検討/鹿児島市交通局(南日本新聞)
「バスがいつ到着するか分からない」「いまどこを走っているの」-。鹿児島市交通局は、バス利用者の“イライラ”を解消しようとバスの現在地や遅延を知らせる運行情報提供システムの導入を検討している。本年度中に乗客らを対象にアンケート調査を実施しニーズを把握。サービス向上で乗車率アップにつなげたい考えだ。

鳥取100円バス「くる梨」 利用者100万人突破 (日本海新聞)
利用は認知度の高まりから増加傾向。春の花見シーズンに向けて、パークアンドライド機能の利用など観光客の取り込みも期待されている。

LRTのバスに対する優位性を突き詰めていくと、結局のところ「つながっている感」なのかなと思います。軌道は、誰の目にも明らかに、そこに存在します。ホームで待っていれば必ず電車が来て、軌道を通って連れて行ってくれるという安心を得ることができます。

だから、路線バスが走るところは、専用レーンでも一般の道路でも、路線バスオリジナルの線を「描けば」いいんじゃないでしょうか。路線バスが走る道路に、「ここを路線バスが走るよ」という線を切れ目無く引いていくのです。
運行系統の番号も書いたり、路線によって線の色を変えたりするのもいいと思います。他の街から初めて来られたかたでも、バスが通る道路かどうかすぐわかります。

フィレンツェは3路線でLRTに1100~1500億円。3本の軌道を「描く」だけなら、さすがにそこまで掛からないでしょう。あまったお金は、頻度を多く、深夜までバスを走らせることに使ってください。

P.S.
とりあえず、城周辺観光ループバスが走る道路に軌道を「描いて」みたらどうでしょう。

参考
公共交通先進国イタリア。後進国ニッポン(ひめナビブログ)

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Posted by miki at 00:00Comments(0)交通