2007年09月30日

ICカード勤怠管理。1億円の結末

指紋認証装置

カラ残業問題で8000人もの職員が処分を受けたのを契機に、大阪市は、1年前に1億2000万円かけてICカード勤怠管理システムを導入しました。一部には「カラ残業代より高くつく」との皮肉も・・

カラ残業再発防止策 ICカードで出退管理(YOMIURI ONLINE)
大阪市は、職員約8000人を大量処分したカラ残業の再発防止策として、市長部局3万1000人を対象に、IC(集積回路)チップ内蔵の職員証で出退勤時間をコンピューター管理するシステムを10月から本格導入する。導入済みの交通局などと合わせた対象は4万人で自治体では最大規模。昨年発覚したカラ残業は、4年間で1億2000万円。
(中略)
新システムでは、コンピューターに記録された出退勤時間と、超過勤務命令簿を照合することで、カラ残業を簡単に見破ることができる。

ところが、そのICカードを他の職員に預けることによって不正をする職員が出てきました。

大阪市 59人懲戒処分 マイカー通勤、カラ残業、公金着服、わいせつ(産経関西)
カラ残業をめぐっては、ゆとりとみどり振興局南部方面公園事務所の男性主任(57)が、体調不良で他職員より早く帰った部下2人のIC職員証を預かり、10~15分遅く打刻して超過勤務手当計約1万1000円を不正に受給させていたことが判明。
カラ残業問題を契機に導入したIC職員証が悪用されたことを重くみて、市はこの主任を諭旨免職とし、部下2人を停職1カ月とした。また定時前に私用で職場を離れておきながら、部下に定時の退勤時間を打刻させていた建設局南部下水道管理事務所の職員(33)を停職2カ月とした。

こちらも大阪市です。やはりこの1億円のシステムを使ったごまかしです。

カラ出勤止まらん 保育所所長、部下に命じ(YOMIURI ONLINE)
市立保育所の女性所長(59)(係長級)が、出退勤時間を記録するIC(集積回路)チップ入りの職員証を女性保育士(53)に操作させてカラ出勤を繰り返していたことがわかった。
(中略)
市によると、所長は今年1~3月、計3回、いずれも午前8時30分ごろ、職場にいる保育士に、所内に置いていた自分の職員証を読み取り機に通すよう電話や電子メールで指示し、そのまま欠勤したり、午後から出勤したりしていた。

1億円かけても3万円のタイムレコーダーと大差ないということでしょうか。
ICカード神話みたいなのがありますが、磁気カードでもパウチカードでも100円のノート管理でも、管理面から言えば五十歩百歩のような気がします。世の中にはICカードでしかできない、優れた管理システムもあるとは思うのですがね。

ICカード管理の限界は、貸し借りでしょう。ICカードに本人の写真を貼り付けて首からぶら下げておけば、日中の人の多いところではそれなりの管理になるのでしょうが、残業時間などの人が少ない時、預かったカードをカードリーダーに通せば、いるはずのない職員がいたことになってしまいますよね。

こういうとき、システム屋さんに相談すれば、指紋認証あたりを提案してくるのでしょうか。システム屋さんは、永久に食いっぱぐれがないようにできています。(笑)

実際、1000店舗もの居酒屋チェーン店では指紋認証による勤怠管理を行っています。

銀行では静脈認証といって血管の形状を透視して認証していますが、ほとんどはコストの安い指紋認証を使うようです。(参考

指紋認証といえば、こんなところにも使われています。

指紋認証会員制Bar「蘭」姫路市塩町

入会金2万円、年会費3万円払ってるよ~というのを「身1つでも」確実に証明できますってことなのか。カードが増えすぎた社会では、カードを持つこと自体が鬱陶しいですからね。

参考
顔を見分けるコンピュータ(ひめナビブログ)

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Posted by miki at 00:00Comments(4)IT