2010年08月30日

電話調査とネット調査の乖離

朝日新聞社

マスメディアの行う世論電話調査で、民主党の代表になって欲しい人物として、菅首相小沢前幹事長を大きく上回りました。

菅氏69%、小沢氏15% 「首相交代ならば解散」が56% 共同通信世論調査(MSN産経ニュース)
共同通信社が27、28両日に実施した全国緊急電話世論調査で、9月1日告示の民主党代表選でなってほしい代表は菅直人首相(党代表)が69・9%で、小沢一郎前幹事長の15・6%を大きく上回った。
ところが、ネット調査では、そうではないものも。

菅首相より小沢新首相…サイト調査で圧倒8割(スポニチ Sponichi annex ニュース)
「菅首相と小沢氏のどちらが民主党代表(首相)としてふさわしいと思うか?」の問いに対しては、約80%にあたる1336人が小沢氏。
(中略)
ジャーナリストの江川紹子氏は「メディアは小沢氏のダーティーなイメージを作り上げている。そんなイメージ先行報道に辟易(へきえき)した有権者が、積極的に意思を示した結果では。知りたいのはこれからの日本をどうしたいのかという具体的な内容。政策論争を深めるような報道をしてほしい」と指摘する。
ネットを見ている人は、マスメディアが小沢氏のダーティなイメージを作り上げている姿勢を見抜いているのだとの意見もあるようです。

イメージ戦じゃなく、政策論を戦わせて欲しい気がします。

参考
小沢氏出馬へ―あいた口がふさがらない(朝日新聞) ← 8/27の社説。何か焦っているように感じるのですが。
「あいた口がふさがらない」 「小沢出馬」朝日新聞そこまで言うか(J-CASTニュース)
【高橋昌之のとっておき】疑問だらけの16日付朝日新聞社説(MSN産経ニュース) - 結局主張したかったことは、菅首相を9月の民主党代表選で代えるのはよくないということかと感じたのは、私だけでしょうか。(記事より) ← マスメディア(高橋さんはそうでもないのでしょうが)は、よほど小沢さんに首相になって欲しくないのでしょうね。
「民意」とは選挙結果であり、「世論」とはメディアの捏造物 (世相を斬る あいば達也) - 朝日新聞の民主党代表選に関する奇妙奇天烈な「社説」を産経新聞の高橋昌之氏ジャーナリストとして見るに見兼ねたのか、「高橋昌之のとっておき」で痛烈に論理的に反論を展開しています。新聞社が他の新聞社の社説を批判するのは極めて珍しいが、それ程朝日新聞が狂っていると云う事の証明みたいなものなのだろう。(ブログより)
マスメディアは検察のお手伝い?(372log@姫路)


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この記事へのコメント
電話調査とネット調査で差が出るのは当たり前のことで、電話調査は受動的、ネット調査は能動的という決定的な違いがあります。ネット調査は能動的にそこを訪問した人しか調査対象になりませんので、訪問者層に大きく依存し、「同じような価値観の人が集まりやすい」という点に留意しなければなりません。

例えば、以前にニコニコ動画の世論調査では…というようなエントリがあったと思いますが、ニコニコ動画では確か20~30代の男性が6割近くだったか8割近くだったかを占めていたと思います。
ニコニコ動画のネット調査では、前の衆院選や参院選の前の政党支持率は自民が30~35%程度で首位、民主はその半分~2/3くらいしかありませんが、選挙で政党支持が表れる比例区では、衆院選(全ブロック合計)では民主が87議席、自民が55議席、参院選(全国)ではそれぞれ16議席、12議席だったように、民主の方が支持が高く、単純にニコニコ動画の調査の数だけ見ても意味がないことがわかります。この点は、大手メディアの直前の世論調査での政党支持率の方が実際の選挙結果に明らかに近かったと思います。

スポニチ アネックスの調査ですと、少なくとも「男性」に集中しているでしょうね。新聞社やテレビ局でも「自分のところの購読者・視聴者だけ」を調査すればマスコミごとにものすごく偏った結果になるだろう思います。

電話調査は在宅している人しか調査できないという難点があるとはいえ、無作為ですので、年齢層などが適当にばらけますし、学術調査のような場合はサンプルに偏りが出た場合には人口比に合わせた補正値で検証したりもします。

また、読売・朝日・毎日などのマスコミや時期によって数%のずれが生じることがしばしばあり、その差分をくらべてそれぞれのマスコミを批評している人も少なくないですが、実は重箱の隅をつついているような些末な話で、少しずつ調査方法(質問方法等)が異なるので、「継続した同じ調査を見ること」で世論の移り変わりの傾向がつかめますが、単純にその時の数だけ比較してもあまり意味はありません。
内閣や政党の支持率のいくつかの調査を見比べると、保守寄りと言われる読売・産経でも、左寄りと言われる朝日でも、ほとんど同じような推移傾向になります。特定のマスコミが特定の政党・政策を応援・批判していても、そこの世論調査にはあまり影響していないこともわかるかと思います。

例えば、昨年政権交代する前、自民擁護・民主批判が強かった産経新聞の世論調査(フジサンケイグループ共同)でも、自民の支持が落ち、それより民主の方が支持が高くなっている傾向は裏付けられていました。

スポーツ紙はセンセーショナルに伝えることが使命ですから該当記事のような切り口もありだと思いますが、専門家であるはずの江川氏ですら数しか見ていないことが多いことは非常に滑稽だと思います。
もしかしたら、クライアント(マスコミ)が望むコメントをすることで仕事を得ることしか考えていないのかもしれません。


あと、朝日vs産経のバトルは時々ありますね。教科書問題や日中・日韓関係で顕著で、社説同士で相手に反論する形で批判合戦を繰り広げたりします。
Posted by たー at 2010年09月01日 02:03
たーさん

コメントありがとうございます。
参考になりました。
Posted by miki at 2010年09月01日 07:14
「ゴーワン」とさんざん言われ、イメージもそのものの小沢総理誕生に期待する声もあるようですが、
そういう主張はお上品な新聞では、あまり取り上げられないのか、ネットで引っかかるのは週刊誌ですね。

「小沢首相」なら1ドル=100円、株価1万2、3000円の期待も出てくる(日刊ゲンダイ)
http://gendai.net/articles/view/syakai/126114 より
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明大教授の高木勝氏(現代経済)が言う。
「小沢氏は政治とカネなどの問題を抱えているが、経済政策だけをみれば、すべての面で菅首相を上回っています。国債発行の上限を決めて財政再建を急ぐ菅首相は、現状認識が甘過ぎます。平時の場合はそれでもいいでしょう。しかし、これほど景気やマーケットが危機的状況にあるときに、政策の手足を縛るようでは経済が死にます。今は、思い切った景気対策のためになら、大規模な財政出動も辞さない小沢氏のような考えが必要なのです。どれだけ財務官僚が反対しようとも、それを抑えつける小沢氏の剛腕に期待したい」
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Posted by miki at 2010年09月01日 07:38
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