2007年12月11日
鉄より強く、アルミより軽い、姫路の炭素繊維

鉄は強いが重い。アルミは軽いが弱い。これらの問題を克服した夢の新素材が炭素繊維です。
なるほど講座/炭素繊維(FujiSankei Business i.)
炭素繊維は、アクリル繊維やピッチと呼ばれる石油、石炭、コールタールなどの副生成物を原料に高温で炭化して作った繊維のことです。摩擦や熱に強く、引っ張り強度が高いにもかかわらず、アルミニウムなどの軽い金属に比べてもさらに軽量なことが特徴です。
(中略)
用途は幅広くロケットや航空機の主翼、F1の車体などに利用されています。身近なところでは、テニスラケットやゴルフクラブのシャフト、釣り竿、高級スポーツ自転車のフレーム素材などにも採用されています。
このたび、鉄鋼業界世界2位の巨人・新日鉄グループと、石油業界最大手の新日本石油が手を組み、姫路に造った炭素繊維の工場の生産能力を、再来年6月に2.6倍に増強するという発表がありました。投資金額は30億円。
新日鉄マテと新日石、共同で炭素繊維を2.6倍に増産(NIKKEI NET)
新日本製鉄子会社の新日鉄マテリアルズ(東京・千代田)と新日本石油は13日、共同で炭素繊維を増産すると発表した。両社が出資する日本グラファイトファイバー(東京・中央)が、2009年6月に年間の生産量を現行の2.6倍の180トンに引き上げる。投資額は約30億円。
(中略)
新日鉄の広畑製鉄所内にある日本グラファイトの広畑工場(兵庫県姫路市)でラインを増設する。製鉄所で発生するタールを原料に使う。
世界中の航空機産業は、もはや世界シェア8割と言われる日本の炭素繊維なしでは成り立ちません。今後は自動車や産業機器など、ありとあらゆるものに利用分野が広がっていき、姫路が益々忙しくなることでしょう。
参考
日本グラファイトファイバー株式会社の炭素繊維製造設備の更新について(新日本石油) - ここ数年来世界的に炭素繊維全体の需要が急拡大し、今後も引続き伸長していくと期待されます(記事より)
