2015年05月20日
深読み ~リーマン・ショック後最低の就職率は91%~

大卒の就職率が、リーマン・ショック後最高の96.7%になりました。
就職率:今春大卒96.7% リーマン後最高(毎日新聞)
今春卒業した大学生の就職率(4月1日現在)は96.7%と前年同期比2.3ポイント増となり、4年連続上昇したことが文部科学省、厚生労働省が19日公表した調査結果で分かった。2008年のリーマン・ショック後、最も高い就職率となった。リーマン・ショック後、最も高いというと、すごいことのように思いますが、では「リーマン・ショック後最低だったのは?」と言えば、4年前の91%。
確かに低いけど、今年と大差ない気もします。
「就職が深刻だ」と、当時はもっと騒いでたような気がして、調べてみました。
【図解・社会】大卒の就職率と内定率(最新)(時事ドットコム)によると、4年前の就職内定率(12月時点)は69%。
「3割以上の大卒予定者が、まだ内定がもらえない」と騒いでいたのです。
データを見る限り、その後4月時点の就職率で91%になっています。(大雑把に言えば)4年前も今年も大差ない結果になりました。
就職率だけ見ても、その後妥協して就職したのか、納得して就職したのかもわからないし、単に内定時期が全体的に遅かっただけなのかもわかりません。
言えることは、「リーマン・ショック後最高」のイメージに「96.7%」は合いますが、「リーマン・ショック後最低」のイメージに合うのは「69%」という数字。
数字は時には正確な尺度ですが、ある種のイメージ醸成効果もあります。
参考
売り手市場の就職戦線、過去最高水準に 15年春、大卒就職率96.7%(日本経済新聞) - 数字を比較しても大した差はないし、そもそも数字の差から売り手市場だというのも早計。
大学生 高校生の就職率 高い水準に(NHKニュース)
文部科学省における大学等卒業者の「就職率」の取扱いについて(通知)(文部科学省) - 就職率は調査によって定義がまちまち。もっと低い就職率調査もあります。

Posted by miki at 00:28│Comments(0)
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