2012年12月17日

指導的地位に女性が占める割合を30%以上

小池ゆりこ元環境・防衛大臣

ほとんど数値目標の掲げられていない自民党の政権公約ですが、珍しく具体的に数値目標が掲げられているものがあります。

重点政策2012より
社会のあらゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%以上とする目標(“2020年30%”<にぃまる・さんまる>)を確実に達成し、女性力の発揮による社会経済の発展を加速させます。
とても結構なことです。民主党の子ども手当以上に結構な政策だとは思いますが、「2020年までに」「社会のあらゆる分野で」というのは、どうにも引っかかります。

たとえば比較的容易にできそうなところだと、組閣で女性大臣を3割にするということ。人事権が総理大臣にあるのですから、決断ひとつです。
(ただ、野党時代に大臣の資質を激しく追及していたことからも、それなりの人選はしないといけないので、苦労はあると思います。大臣経験豊富な小池百合子さんのようなかたがあと4人くらいいれば楽ですが。)

しかし、「社会のあらゆる分野」というのは、99%以上、人事権が総理大臣にありません。
あくまで「そうなるような制度を作る」ということしかできません。

たとえば、現状、女性パイロットは全体の1%です。(参考

1 パイロットを雇うのは、国ではなく多くの場合民間航空会社
2 国が女性パイロットを29%増やせと指導、もしくはそうなる制度を創設する必要がある
3 ただでさえパイロット不足なのに、実現不可能と航空会社は猛反発

反論としては

自民党が言っているのはあくまで指導的地位の割合。航空会社であれば役員比率を3割にすればよく、パイロットは1%のままでいい。

しかし仮に企業役員だけとするとしても、企業競争力に致命的な打撃を負わせかねません。
すでに女性部長が何人もごろごろいるような企業ならともかく、人は急には育たないからです。

世界一の上場企業役員比率38%を誇るノルウェーでは、こうしたリスクを回避するために、女性社外取締役を増やしたという情報もあります。

欧州が「女性役員4割」へ 割当制は本当に有効か?(日系ビジネスオンライン)

いますぐ女性の役員候補を社内から選抜し、あわてて2020年までの7年間で育成するか、もしくはノルウェーのように女性の社外取締役の道に走るか。

どうなるかは容易に予測できますが、それでも社会を変えるインパクトにはなるということなのでしょうか。

原発路線は急には止められない、企業活動に甚大な影響を与えると訴える一方、女性役員3割化は7年で可能というのはバランスを欠くように感じます。

参考
空港も足りないが、パイロットはもっと足りない(372log@姫路)
女性少ないと政党助成金カット 女性議員増へ自民中間報告(SankeiBiz)

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Posted by miki at 00:58│Comments(0)政治
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