2013年04月06日
世の中が3倍、明るくなる話

播磨にある「SACLA」は、明るく輝き、物質の原子レベルの動きも捉えることができるすごい顕微鏡。
しかし、欠点もあります。
エネルギーが大きいので、試料(検査する物質)が破壊されてしまい、長時間じっくりと観察できません。
こうした観察には、SACLAの隣にあるSPring-8のようなリング型放射光施設が向いています。
ところが、これまで、明るさが足りませんでした。
そこで理化学研究所の偉い人たちが、よってたかって新しい手法を考えました。
SPring-8の明るさ3倍に -超高輝度な次世代リング型放射光光源の実現へ重要な成果-(理化学研究所)
高周波電場を発生する空洞(カップリング空洞)を1対置き、その間の水平振動の位相を半周期になるように調整して、磁場の効果を2つの空洞の間に閉じ込めました。これにより電場の効果だけを足し合わせることに成功し、この手法をSPring-8に導入したときのシミュレーションでは、現状の3倍の輝度が得られることを確認しました。SACLAができたと思ったら、今度はSPring-8のほうも3倍明るくなる可能性。
相乗効果で、これまで見えなかったものが見えるようになったり、解析効率があがったりと、ますます期待が高まります。
参考
日本産業技術大賞、播磨から2件受賞(372log@姫路)
世界最先端・人類の「夢のマシン」が、播磨には2つもある(372log@姫路)

Posted by miki at 00:00│Comments(0)
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