2012年06月03日
美樹工業のメガソーラー完成。来月売電開始

昨年末のブログで書いていた姫路の美樹工業のメガソーラーが完成しました。
つくばにメガソーラー完成(SankeiBiz)
茨城県つくば市で大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設していた「美樹工業」(兵庫県姫路市)は1日、設備が完成したと発表した。太陽光発電などの固定価格買い取りを電力会社に義務づける再生エネルギー特別措置法が施行される7月1日に売電を始める予定。建設の美樹工業、つくばに太陽光発電所(日本経済新聞)
同社にとって初めての太陽光発電所で、同市内に2番目の太陽光発電所を建設することも検討している。当初計画よりも規模が拡大し、またさらに今後、2番目の発電所も検討中とのこと。
(中略)
当初出力1.5メガワットの発電所を建設する計画だったが、工場立地法の規制緩和に伴い出力約2メガワットに規模を拡大した。
同様の買取り法で先行するドイツでは、今年、太陽光発電の買取制度が変更されています。
ソーラー発電大国・ドイツの落日 収益急減 最大手メーカー破綻(SankeiBiz)
法案によると、屋根に取り付けるなど10キロワット以下の小規模発電は1キロワット時当たり24.43セント(約27円)から19.50セント(約21円)に下がり、規模が大きい場合は削減幅が増える。小規模発電は全量買い取りをやめ、来年から80%に。今年の太陽光発電の設置は昨年の3分の1に低下する見通しだ。ドイツは買取制度が始まる2000年まで、日本に比べかなり安い電気料金でした。ところがその後上昇し、家庭用では2004年に日本を抜いて主要国でもっとも高い料金になっています。(参考 電気料金の国際比較)
これは電力買取分を電気料金に上乗せするルールになっているからです。
Q.「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」とはどのようなものですか?(資源エネルギー庁)
再生可能エネルギー源(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)を用いて発電された電気を、国が定める価格で一定期間電気事業者が買い取ることを義務付けるものです。電気事業者が買取りに要した費用は、使用電力に比例した再エネ賦課金によってまかなうこととしており、電気料金の一部として、国民の皆様にご負担をお願いすることとなっております。太陽光設備の価格は昨年急激に下がりました。安い設備で買い取り価格が同じだと事業者は儲かるので殺到し、売電量が増えます。だから買取価格のほうも迅速に下げないと電気料金が高騰してしまいます。
では日本の買い取り価格はいくらなのか。
「全量買い取り制度の価格」~ドイツと日本の制度比較(日本再生エネルギー総合研究所)
*日本 40.0円日本はドイツの2倍の金額です。これは発電事業者にとってはインパクトが大きいでしょう。(表示は税抜き価格)
*ドイツ 屋上 10kw以下 20.3円
屋上 1MWkw以下 17.2円
地上 10MW以下 14.0円
地上 10MW以上 買い取りなし
一方で、発電事業者が殺到すれば日本の電気料金が高騰し、ドイツを抜いて再び世界一に返り咲く可能性もあります。
今後、買い取り価格の変更タイミングを間違えないことが重要ですね。
参考
つくばのメガソーラー完成 来月から売電開始(茨城新聞)
太陽光発電買取がkW42円とな? ドイツじゃ14円なのに(やまもといちろうBLOG)
ニッケが電力販売事業に参入 メガソーラー設置(神戸新聞) - ニッケ(本店・神戸市中央区)は25日、兵庫県稲美町と明石市にまたがる自社ゴルフ場を閉鎖し、大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設すると発表した。(中略)太陽セメント工業(大阪市)は、加東、加西市にまたがる自社用地に、約13億円を掛けて出力3・5メガワットの発電所を建設中だ。(記事より) ← ニッケの「ゴルフ場を閉鎖し」というくだりに、必ず買い取ってくれるんなら「ゴルフ場なんてやってられるかい!」っていう空気を感じました。買い取り価格の大盤振る舞いが続くようなら、兵庫県のゴルフ場が次々閉鎖され、太陽光パネルが並ぶかもしれません。

Posted by miki at 00:00│Comments(0)
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