2007年07月29日

シャープ堺、正式発表へ。航路経由で関空も利用

シャープ堺、正式発表へ。航路経由で関空も利用 関空快速

シャープは、姫路とで工場建設を迷っていましたが、正式に堺に決定しました。関西空港を使った輸送も行うようです。

シャープの液晶パネル新工場は堺市 09年量産化目指す(asahi.com)
海水を空調に使ったり、製品を陸送だけでなく、海上から関西空港へ輸送し二酸化炭素削減を図ったりする環境対策も検討している。
(中略)
予定地は当初、兵庫県姫路市が有力視されていた。しかし、大阪市の本社や奈良県天理市の研究拠点とのアクセスがよいことや、土地取得などにかかる費用が総合的に姫路よりも安いことなどが決め手となり、堺に軍配が上がった。

関西空港まで堺市駅から関空快速で36分(860円)と、気軽に行ける距離なので、貨物輸送にも有利と思います。

航空貨物といえば、鳴り物入りで開港した中部空港の貨物部門が、成田と関空にとられて思うように伸びていません。全日空は、中部の貨物を来年から大幅に減便する予定です。

中部空港 貨物減便で 全日空社長(YOMIURI ONLINE)
中部空港での貨物専用機の積載状況は「調子がよいのは天津や米国の行きの片道くらいで、ほとんどの便は軒並み30%を切っている」と説明。

滑走路が2本になり24時間フル稼働できる関西空港に貨物は集約されていく方向なんですね。

それにしても、堺からでも航路との組み合わせで航空便を使うというなら、姫路港→関西空港→国内外というルートでもそれほど不利でもなさそうです。姫路から関西空港までは、陸路だと大回りですが、航路だと淡路島が少し邪魔なものの、決定的に不利とも思えません。
結局、土地価格と人の移動(天理や亀山との車移動)の面で堺がやや有利ということですね。

一時期は国際競争力を失っていた日本の鉄鋼業界ですが、最近は国際競争力を取り戻しています。日本が鉄鋼に強い理由に、海上輸送の強みというのを聞いたことがあります。
製鉄は場所をとるということもあって、鉄鉱石を溶かして最終の製品に仕上げるまで、何回か運ばなければならないのですが、面積あたりの海岸線距離が世界3位の島国日本は、海上交通を使って低コストで運ぶことができます。米国だとトラックで大陸を横断したりするので、コスト面で不利。
とくに海上が穏やかで海岸線が入り組んでいる瀬戸内沿岸の海上輸送は鉄鋼業界にとって好都合。そこで多くの鉄鋼関係の工場が立ち並んだわけです。

こうした瀬戸内海上ネットワークに、海上空港で24時間空港の関西空港が加わったということは、海上交通+航空輸送のネットワークとして、成田にも勝り、世界一の海上+航空ネットワークができる可能性を秘めていると思います。

姫路港→関西空港→国内外という貨物ルートが、(シャープがいう)環境だけでなく、コストや時間などでどこまで競争力があるのか、今後どこまで競争力をつけていけるのかという点に期待できるのではないでしょうか。

参考
まだ頑張るの?シャープ姫路誘致(ひめナビブログ) - 何をどうがんばって、何が駄目だったのか、説明して欲しいものです。的外れな頑張りは同じ失敗を繰り返すだけですから。
シャープ堺進出決定で始まる、姫路新時代(ひめナビブログ) - シャープ工場建設候補地だった出光興産跡にはビジネスジェットが気軽に立ち寄れる空港を。

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Posted by miki at 00:00│Comments(0)企業
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