2014年01月05日

クレーンが入れないという「幸運」

姫路モノレール跡(姫路市南畝町

日経新聞が、姫路モノレールを取り上げています。

ビルに突き刺さる軌道 姫路、「未来交通」夢の跡(日本経済新聞)
橋脚と軌道が約350メートルにわたり、ほぼ当時の姿をとどめている。市によると、川沿いにあるためにクレーンが入れず、解体が難しいそうだ。
「補強して残す方法も選択肢の1つ」(管財課)という。川と軌道の組み合わせは美しく、若い人が通りすがりにスマートフォンで撮影していた。
道路工事に合わせて取り壊されたり、大将軍駅のある高尾町の高層住宅(通称「モノレールマンション」)の解体が決まったりと、徐々に解体されていく姫路モノレール。

姫路を鉄道マニアの聖地に(372log@姫路)
坂村健さんが東京大学総合研究博物館にいらっしゃった時に聴いた話ですが、イギリスの大英博物館は、日常生活で庶民が使うなんでもない家具や机を、どんどん倉庫に保管しているそうです。これらのモノが50年経つと、当時の庶民の生活を知る重要なグッズに「成長」してくれるとか。
50年経てば価値が出るとしても、それまでの間は単なるゴミ。
ここをどう乗り切るかは、容易ではありません。

しかし、「川沿いにあるためクレーンが入れない」という「幸運」が、姫路モノレールの軌道を守っていたんだと知って、モノレール遺産の「奇跡」を予感しました。

参考
<7>『負の遺産』も生きる(東京新聞)- 「あるもの活用」の発想は、ムダな公共事業を続けることが常識の行政からの脱却に向け一石を投じる試みではある。 ◇従来◇ムダな公共事業で借金を重ねる ◇姫路市の新常識◇あるもの活用で魅力を見いだす(記事より)
観光名所「モノレール遺跡」(372log@姫路) - 他の都市には無いもの全てが観光資源という目で見れば、歴史ある姫路にはお城以外にも多くの観光資源が眠っているような気がします。歴史をひもとけば、姫路城だって、解体費用が捻出出来ずに放置されていた物を外部の人が評価したのですから。(ブログより) ← 世界文化遺産姫路城の歴史は「奇跡」の歴史。

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Posted by miki at 10:29│Comments(0)文化
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