2007年12月29日
医者に出会うまでの時間
昨日、30病院に拒まれ死亡するという事故が、大阪府で起きていたと報道されました。
30病院に拒まれ死亡 大阪の89歳 到着まで2時間(asahi.com)
富田林市消防本部などによると、25日午前4時49分、女性の家族が119番通報し、8分後に救急車が自宅に到着。救急救命士が酸素投与などの処置をしながら、同消防本部の通信指令室とともに搬送先を探した。
今月6日には、姫路市でも同様の事故が起きました。
救急搬送受け入れ:18病院が拒否 男性、2時間後死亡--兵庫・姫路(毎日.jp)
市消防局によると、同日午前0時7分、男性の家族から「吐血し意識がぼんやりしている」と119番があった。救急車は約3分で到着。救急隊が電話で搬送先を探したが、姫路赤十字病院など近隣の18病院から「専門医がいない」などと断られた。
救急車は富田林のケースで8分、姫路は3分で到着しているのに、病院搬送に2時間かかってしまったということです。
よく言われる、救急車をタクシー代わりに使うことからくる、有料化論議とは異なるケースだという認識が必要だと思います。救急車の到着時間について改善の必要性を感じる人はいないと思います。
今回は病院への搬送時間が2時間ということで大きくクローズアップされましたが、通常は大阪府25分、兵庫県は27分で、都道府県で最も時間がかかっている東京都の43分に比べると、かなり速いほうです。
2時間というようなレアケースをいかにつくらないかということが重要と思われます。
もう1つは、救急車に救急救命士は乗っているけど、医者が乗っているわけではないということ。
病院到着までの時間(航空の現代)
ドイツでは15分以内に治療を開始するというルールができている。患者が発症してから医師に出会うまでの時間である。そのため医師は患者のもとへ大急ぎで駆けつける。駆けつけるための手段は自転車でも救急車でもヘリコプターでも何でもかまわない。とにかく15分以内に患者のもとへ到着することである。
日本では病院に到着しないと医者に出会えません。つまり通常25分、東京都だと43分間医者に出会うことはできませんが、ドイツでは15分以内に出会えます。
日本でももし救急車に医者が乗れば、姫路のケースで3分、富田林のケースで8分と、ドイツ並みにすることが可能です。
これは単に医者不足というだけの問題でなく、運用が大きく絡む気がします。
ヨーロッパではドクターヘリというのが活躍していますが、日本ではあまり活発ではありません。過疎の町や離島など、緊急時のためだけに医者を配置することが困難であれば、緊急時には医者のほうをいかにスムーズに出向かせるかという視点は、もっと注目を集めてもいいと思います。
家島諸島を持つ姫路ですが、緊急時の対応はどうなっているのでしょうか。全国に先駆けてやってもよさそうなテーマだと思うのですが。
参考
病院断られ66歳死亡(いしどう大輔後援会 「姫路市政への挑戦」)
医師不足だったり、オランウータンが暴れたり(ひめナビブログ)
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Posted by miki at 08:23│Comments(1)
│医療
この記事へのコメント
まあこれはコロナウィルルス発生の混乱にも関わらず人類史的偉業になるだろう。ニュートンの万有引力の発見の当時ペストが流行っていた時代背景にも似ている。さて境界潤滑とは機械の潤滑油を介した摩擦であり、誰もがつかっているにも関わらず真剣に考えてこなかった。そのため実験結果はものすごくバラツキ、巷にはデマが飛び交い、特効薬が開発されてもそれがどうしてよくするのかも分からない世界がトライボロジーにおける問題点だった。
それに果敢に挑戦しているのが久保田博士(現在注目のダイセルリサーチセンターの方)他数多くいるのも確かだ。あるトライボロジストはノーベル賞物理学者ヴォルフガングパウリの「表面は悪魔がつくり、結晶は神が作った。」という引用のもと、これを嘆くのだがCCSCモデルほど具体像を示せなかったのも事実だろう。
それに果敢に挑戦しているのが久保田博士(現在注目のダイセルリサーチセンターの方)他数多くいるのも確かだ。あるトライボロジストはノーベル賞物理学者ヴォルフガングパウリの「表面は悪魔がつくり、結晶は神が作った。」という引用のもと、これを嘆くのだがCCSCモデルほど具体像を示せなかったのも事実だろう。
Posted by ラマン分光ファン at 2020年05月03日 10:12