2008年03月09日

岡山空港、開港20周年で利用客5倍

岡山空港、開港20周年で利用客5倍 岡山空港

岡山空港の勢いが止まりません。県営空港として開港して20年になりますが、利用客が5倍。国内各地とソウル上海グアム北京大連に続いて来月からは香港への定期便が運航されます。

岡山空港:11日で開港20周年 利用客数は5倍に増加、国際化進展へ対応も /岡山(毎日jp)
岡山-東京間の空路利用者数は10年前にはJR利用者数の3分の1程度だったが、岡山空港で同一路線に日本航空全日空の2社が運航する「ダブルトラック」体制となった02年度以降は、ほぼきっ抗状態が続く。総利用者数が増えていることから、同研究所は「JRと航空会社の競合による運賃低下などにより、需要の掘り起こしに成功したのでは」とみている。
(中略)
海外に出国した県民のうち3割強が岡山空港を利用。海外旅行の出発地としての存在感も高まっているという。

海を埋め立てた神戸空港は総事業費3000億円と言われてますが、平地に造った岡山空港の本体事業費は381億円とのこと。(参考
1期工事だけでも1兆円を超える関空(なんせ連絡橋だけで1500億円超)など、身近に特殊な空港があるため、空港は高いものと誤解されがちですが、そうとも言い切れません。(注)
20周年を迎えて、「岡山空港なんて造らなければ良かった」と言う市民、県民が果たしてどれだけのウェイトを占めているのでしょうか。
注)
平地に造ってもアクセス道路を造る必要がある場合もありますが、必須ではありませんし、その道路は必ずしも空港専用道路になるわけではなく、場合によっては生活道路として利用されることもあり得ます。ところが、海上に空港を造ると埋め立て費用がかかることに加え、「専用」橋も必須となります。
余談ですが、播磨臨海道路の総事業費が「4000億円をはるかに超える」と言ってる人もいるようです。(参考

宮崎県東国原知事が、「宮崎県は道路整備が遅れている。このまま道路特定財源が一般財源化されたら、これまで順番を待っていた宮崎は道路整備が遅れる。」という内容の発言をしています。
先週の関西テレビ報道2001という番組で、「地方同士競争しろというが、土俵が違うのに無茶な話だ」という意味のことを言ってましたが、とんだ言いがかりです。

そんなこと言ったら、宮崎県は人口が114万人しかいないのに、国が設置して管理までしてくれる第二種(A)宮崎空港がすでにある。しかし播磨は(西区垂水区を除いても)179万人もいるのに空港がない。これじゃあ競争にならないなんて話もできますが、そんな話が通るわけがありません。姫路には新幹線があるが、宮崎には新幹線がないじゃないかと言い出したら、福島新潟にはどちらもあるから、やはり播磨は競争できないと言うこともできますが、播磨は紳士だから(?)そんなこと言いません。東国原知事の言っていることは、その程度の内容です。

菅直人と東国原知事を道路のことで討論させると、宮崎固有の問題を前提に中央対地方の問題かのように錯覚させ、地方を含めた宮崎以外のほとんどの国民にとって、非常に迷惑な話になってしまいます。視聴率は取れるかもしれませんが、国民の利益にならない無益な討論だと感じました。

参考
大手旅行会社イチ押し。人気の国際空港(ひめナビブログ)

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Posted by miki at 00:37│Comments(5)航空
この記事へのコメント
>海を埋め立てた神戸空港は総事業費3000億円と言われてますが、平地に造った岡山空港の本体事業費は381億円とのこと。(参考)

381億円というのは、恐らく滑走路延長(2,500m→3,000m)に関わる費用であり、岡山空港の建設費は2千億円近くに上ります。

反面、神戸空港の建設費3,000億円は、埋立用地すべての建設費です。
空港島の面積約278haのうち、空港用地として使用しているのは約180haで、残りは分譲予定地です。
もし、土地分譲により建設費回収というスキームでなく、必要な用地の埋立だけに留めていたら、建設コストはもっと低かったでしょう。

岡山空港も3,000m滑走路を持つが、この長さをフルに使う貨物便や国際チャーター便は年数回程度の発着ということです。
Posted by かにうさぎ at 2008年03月09日 11:46
かにうさぎさん

岡山空港は関連事業費まで入れると、381億円でないというのは、おっしゃるとおりです。

>381億円というのは、恐らく滑走路延長(2,500m→3,000m)に関わる費用であり、

ただし、381億円は、延長の費用ではなく、あくまで当初予算ではないかと思います。(岡山県が把握している当初予算の数字)

引用開始 ---------------------------------------

(「空港ノー」吉田町民の会の主張)
岡山空港は、当初予算800億円が最終的に2000億円と2.5倍になったので、静岡空港も1900×2.5=4750億円かかる。

(静岡県の考え方)
岡山空港については、岡山県にも確認したところ本体事業費381億円は確認できたが、これ以外の800億円、2000億円という金額、及びその内容については承知していないとのことにより、単純な比例計算では比較できない。

引用終了 ---------------------------------------

また、能登空港の建設費はさらに安く、270億円です。(関連事業費は除く)

参考
http://www.nsknet.or.jp/kitano/98.2giji4noto.html
Posted by miki at 2008年03月09日 20:58
追記

こんな話もあります。

空港産業を育てる なぜ世界一を目指さない
http://www.kirari.com/hub/tsukuru/hubbuz.html

引用開始 -------------------------------------------------------------
3,000mの滑走路2本とターミナルビルの新千歳空港建設費は780億円にすぎない。周囲は新たに3,500mの滑走路2本を確保できる余地がある。3,500mの滑走路4本の空港建設費用が、1,500億円というのは世界でも割安である。4,000mの滑走路4本をもつ新ソウル国際空港の建設費の50億ドル(円換算5,400億円)と比べて、はるかに競争力がある。
引用終了 -------------------------------------------------------------

新ソウル国際空港は、海上空港ということもあり、意外と割高。
日本の中で北海道は恵まれているとはいえ、それ以外の地方の場合でも、海上ではなく陸上の平地に建設すれば、それほどお金がかかるわけではないと思います。
Posted by mikimiki at 2008年03月09日 21:47
東国原知事の発言。焦りと悲壮感。市場原理に任せたら、鳥取・高知・宮崎といった三大陸の孤島はほぼ確実に負けるので、この三県の知事は名物が居て、いつも声を上げてる(鳥取の孤立は明治政府がとにかく港湾設備に金かけて何でもかんでも神戸に投資したことの裏返しですが)。
都市間・地域間競争を市場原理でとにかく是とする論調が目立ちますが、もともと大都市圏圧倒的有利のフェアなゲームじゃない。それに、頭はバリバリに冴えていても肩こりや目の疲れに悩まされる人間を決して健康とは言いませんよね。日本全体で見たとき、競走で勝ち負けがはっきり出るよりは、それぞれの地域が一筋の地場産業と信念を持って自立を志向するほうがずっといい。宮崎の隣の大分では、一村一品運動をやって、都市部と農村部の格差の縮小と都市農村交流を図りましたよね。
農村地帯も、競争だ競争だといって、全国ブランドを作ろうと必死です。東国原知事は自分で宮崎の農産物のセールスしてます。ただ、これもちょっとなぁ。本当は、農村地帯の役割って出来るだけ小さな範囲内で食糧の流通が賄えるように地元を支えることじゃないですかね。所謂『地産地消』のメカニズムが完全に壊れたから、中国産餃子に頼らざるを得なくなる。
Posted by yumekyo at 2008年03月10日 22:39
yumekyoさん

コメントありがとうございます。
Posted by miki at 2008年03月11日 07:26
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