2009年11月04日

日本で話題にならない、空港を見る視点

大手前公園(姫路市本町

現在、大手前公園では、姫路菓子まつり2009全国陶器市が行われていて、周辺は活気に溢れています。(本日最終日です)

ところで、4年前のブログで、
マスコミの論調を見ていると、「日本の空港は周回遅れ」「日本のマスコミは2周遅れ」の印象です。
などと、好きなことを言ってましたが、あれから4年、現在はというと「日本のマスコミは3周遅れ」じゃないかと思う時があります。

では、韓国メディアはどんなことを話題にしているのか。
別に私が韓国が好きだから取り上げるわけじゃありません。日本語で記事を提供している海外メディアで、たまたま空港の話題を書いていたのと、日本のメディアが韓国仁川空港のハブ機能をことさら好意的に取り上げているけど、韓国メディアはやや違う面を取り上げていたからです。

韓中日トライアングル路線、新ビジネスルートに(上)(朝鮮日報)
金浦-虹橋線は、2007年10月に就航してから2年がたつ。就航初期は搭乗率が33.6%にとどまっていたが、今年8月には78.2%まで上昇した。
この路線だけでなく、金浦-羽田、羽田-虹橋線も「時は金なり」のビジネスマンに人気で、韓中日の三角シャトル路線は北東アジアの新たなビジネス路線となりつつある。その日のうちに用事を済ませて帰国できる「日帰り生活圏」が現実となったからだ。現在最終の交渉が進められている)金浦-北京線来年初めごろに就航すれば、北京、ソウル、東京を結ぶシャトル路線網が完成し、一大ビジネス圏を形成することになる。
(中略)
陸続きの欧州では航空路だけでなく、鉄道、道路が縦横に国と国を結んでおり、こうしたシャトル便の影響力は大きくない。しかし、韓中日3カ国の場合は、航空路以外に日帰りは不可能なため、シャトル路線の影響力は非常に大きい。
韓中日トライアングル路線、新ビジネスルートに(中)(朝鮮日報)
繊維会社の管理職、チェ・ユンソンさん(39)は「虹橋空港から上海郊外の工場まではタクシーで約1時間かかる。それでも浦東空港から工場に向かうよりは40分早く、タクシー料金も数万ウォン(数千円)は節約できる」と話し、小走りで空港を後にした。
韓国のソウル周辺には2つの空港があります。ソウル市内には金浦、郊外(高速飛ばして1時間ぐらいのところ)に仁川空港があります。
中国最大の経済都市・上海にも都心に近い虹橋空港と、やや遠い浦東空港があります。上海リニアは浦東空港と都心近くまでを結んでいます。

朝鮮日報の記事を読むと、とくにビジネス空港として好まれるのは仁川でも浦東でもなく、金浦や虹橋といった都心の空港だということがわかります。リニアを引いたところで、「ところで何ぼやねん」とか、いざという時「タクシーで飛ばしたらどうやねん」という話が必ず残ります。

羽田が拡張され、ますますアジアに飛行機が飛ぶのは喜ばしいことです。それは、都心の空港である羽田を使って、中韓に日帰り出張できたり、逆に東京に中韓から日帰り出張できるからです。

しかし、そのことと羽田のハブ化というのは、やや異なる次元の話です。それをごちゃごちゃに記事にしたり発言する人がいるから、「3週遅れ」なのです。

ましてや、都心の伊丹神戸を廃港にしようなんてのは論外です。関西は、日中韓トライアングル路線から自ら離脱する気でしょうか。重要なことは伊丹や神戸にアジア便を飛ばすことです。
韓国が日中韓シャトル路線を語るとき、仁川を脇に置いて考えるように、関空は脇に置いて考えるべきです。

参考
ピント外れの羽田ハブ化論議(372log@姫路)
伊丹存続という当たり前の選択(372log@姫路)
神戸からJALを追い出し、新興航空社の国際便を(372log@姫路)
アジア日帰り出張が当たり前の時代へ(372log@姫路)

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Posted by miki at 00:00│Comments(4)航空
この記事へのコメント
普段関空を使っていて、たまに伊丹を使うとその便利さに驚かされます。 大阪市内へのバスはピストン的に次から次へと来ますし、それが20分ほどで梅田に着きます。 関空の場合はラピートが速いように思いますが、30分に一本ですので待たされることが多く、難波まで小一時間かかってさらに淀屋橋や梅田方面へは地下鉄に乗り換えねばなりません。 性能の向上により飛行機の騒音もかなり改善されており、もたついてはいますが787が出てくれば一層改善されるので伊丹はもっともっと活用されるべきだと思います。
Posted by nohori at 2009年11月04日 10:17
nohoriさん

コメントありがとうございます。

>性能の向上により飛行機の騒音もかなり改善されており、

関空が2本目滑走路を、1本目からさらに沖合いにつくりましたが、あれは手前でもいいのではないかとの意見もあるようです。

関空設計時には、今より飛行機がうるさかったのでしょうが、必要であれば最近の技術に合わせて、考え方を見直すべきなんでしょうね。
Posted by mikimiki at 2009年11月04日 19:15
>関空が2本目滑走路を、1本目からさらに沖合いにつくりましたが、あれは手前でもいいのではないかとの意見もあるようです。

伊丹や神戸に国際線を飛ばせということなら、関空に2本も滑走路は要らなかったということでしょう。

関空2期+伊丹+神戸で滑走路を4本(伊丹の短いものは無視)持っても空域の制限があるから、発着能力が4倍になるわけではない。

関空1期で年16万回の能力があるが、関空2期+伊丹+神戸でも39万回にしかならない。

つまり、関空1期+伊丹+神戸でも発着能力は変わらないということです。
Posted by かにうさぎ at 2009年11月04日 21:11
かにうさぎさん

コメントありがとうございます。

大阪湾の上空が混雑しているのは、たまに話題になりますね。
神戸空港の羽田便が、一度姫路の上空まで西進し、急旋回してから東に向かうとか。
六甲山や神戸の市街地を避け、なおかつ伊丹や関空の進入路を避けるからああなるのでしょうね。
どうせ姫路の上空まで西進してから東に向かうのだったら、姫路で離発着できるようにしたほうがいいと思いますが。

関空2期については、24時間空港をフルに活かすには2本目が悲願だったという声もありました。

発着能力というのも、現実の世界では、混み合う人気の時間帯にどれだけさばけるかがより重要だとか、いろんな要素があるみたいですね。
その他、管制システムの考え方で、回数は増やせるんだとか・・。詳しくありませんが。

羽田をもっと拡張せよという話を聞くと、横田空域とも絡んで東京湾の上空は大丈夫なのかと思います。
あまり民主的でない強引な国家だったら、住宅街の上を飛んじゃうのかもしれないですが。
Posted by mikimiki at 2009年11月04日 22:04
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