2008年03月11日

住基カード普及率52%。世界遺産のあるIT都市

住基カード普及率52%。世界遺産のあるIT都市 なんと-e.com富山県南砺市

鳴り物入りで登場した住民基本台帳ネットワークですが、利用に必要な住基カードの発行開始から4年半も経つのに普及率1.5%と、恐ろしく普及していません。

住基カード手詰まり 普及率1.5% 使い道不足空回り(asahi-.com)
「自治体が条例で定めれば、公共料金の決済や公的施設の予約など、多目的サービスも受けられる」。総務省は住基カードの利便性を強調するが、03年度だけで300万枚を見込んだ発行枚数は、07年末時点で187万枚にすぎない。人口約490人の高知県大川村で発行された住基カードはたった2枚で、うち1枚は職員の申請だった。

大川村の職員が1人ということはないでしょうから、職員にも普及しようという意欲が全く感じられません。(笑)
地元播磨でも、苦し紛れとしか思えない記事が掲載されました。

住基カードで貸し出し(YOMIURI ONLINE)
加古川市も同率が3・9%(今年2月)で、全国平均は上回るものの、十分とは言えないため、多機能化を模索。その結果、「広い年齢層の市民が利用する」(市民課)図書館の貸し出し機能に着目し、導入することに決めたという。
しかし、他の自治体で見られるように住基カード自体に機能を付加すると「多額の経費がかさむ」(同)ため、貸し出しカードのバーコード部分をそのまま住基カードの裏面に張り付けるタイプを選択。

住基カードもここまでバカにされれば、いよいよ廃止の予感がしてくるのですが、大新聞は何故か報じないものの、52%という驚くべき普及率のIT都市が富山にありました。

全国トップレベルの人口・世帯普及率と民間協働を背景に、住基カードを「地域ICカード」に見立て、住民サービス向上に役立つさまざまなサービスを実施(財団法人 地方自治情報センター)
南砺市における平成19年11月30日現在の住基カード発行枚数は30,185枚、外国籍の方などに発行される「なんとカード」は841枚で、住基カードの人口普及率、世帯普及率はそれぞれ52.4%、173.8%(平成19年11月末)となっており、全国トップレベルの普及率を誇っています。

あまりに飛びぬけて高い普及率なのと、市の名前を知らなかったため、困った総務省が仮想でつくった「幻の都市」かと思ったのですが、そうではありません。
平成の大合併で、8町村が合併してできた南砺市は、世界遺産・五箇山 合掌の里のあるまちです。合併に際し、それまでの町村が発行していた印鑑登録証を住基カードに切り替えることに成功。また、地域ポータルサイトとの連携や自動交付サービス導入も実施しています。
普通なら合併で新しい役所をつくったり、システムを統合したりするところですが、役所もシステムも分散したまま、分散型のネットワークでつなぎ、市民を認証するために住基カードを利用しようと考えたみたいです。

「なんとe-com」という会員制ポータルサイトを開設しているのですが、当然のことながら市民や市に関係する人に参加してほしいわけです。登録にはSNSでよくある会員による招待のほか、住基カードによる登録(カードリーダーまたはidとパスワードによる認証)もできます。
普及率1.5%であれば、何をやっても絵に描いた餅ですが、さすがに50%を超えればいろいろ実現性の高いアイデアが出てきそうです。
何でもかんでも住基カードに集約するのでなく、気軽に携帯できるような匿名の補助的なカードの発行など、柔軟に運用していけば、面白いことになるかもしれません。要注目です。

参考
異変!住基カード急増(ひめナビブログ) - 電子申告の還付金制度で住基カードの発行枚数が増えました。
住基カードで自動交付機?(ひめナビブログ) - 自動交付機に助成。
なぜ人はパスポートを持ち歩かないか(ひめナビブログ) - ICカードは多機能といわれますが、技術的に多機能にできるということと、多機能にして意味があるということは全く別物です。(ブログより)← 多機能化の運用上の限界もあるはず。

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Posted by miki at 01:51│Comments(0)IT
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