2008年03月31日

姫路は湯布院にも奈良にもなれない

姫路市臨海地域

毎日新聞の姫路支局長が、転勤で姫路を去るということで、姫路について書いています。

名残の桜 /兵庫(毎日jp)
かつて「播磨臨海コンビナート」と呼ばれた土地柄ですが、行政による工場誘致策をみていると、工業都市としての栄光を取り戻すのが最優先課題なのかと勘ぐりたくなります。国内初認定の世界遺産・姫路城を頂く観光都市なのですから、二兎を追うのはやめ、観光振興にこそ力を注ぐべきです。

日本を訪れる外国人観光客の一番人気は東京です。(参考 外国人は東京に興味 ジャパンガイドが都道府県ランキング
理由のひとつに、東京が日本を代表する「現役」の街だということがあります。人気の観光地が観光「だけ」で食っているわけではありません。そこに活きた生活や文化や歴史があってこそ魅力ある観光地「とも」なるのです。観光専門の都市だから人気が出るとか、そういうものではありません。

観光だけで食っている街というのは、過去の街である場合が多いと感じます。イタリアのベネチアは国際的な観光地ですが、ベネチアの都市としての最盛期は200年前にナポレオンに侵略されて一度終わっています。ベネチアは過去の遺産を保存することで食っているのです。

また、都市の規模の問題があります。九州の有名観光地・湯布院町は、人口1万人ちょっと。(現在は周辺町と合併して人口3万5千人の由布市になっています)
これぐらいなら観光だけで食うというのも比較的楽でしょうが、人口54万人の姫路市が観光だけで食えるはずもありません。

人口37万の奈良市は観光だけで食っているのではないかという人もいるでしょうが、実態は大阪のベッドタウンであり、大阪からの距離を比較すれば、姫路とは全く条件が異なります。(参考 大阪市への通勤・通学人口

人口54万人の姫路市が、工場誘致をやめて観光で食って行けと言うのは、あまりにも荒っぽい意見だし、どこをどう勘違いした発言なのか理解に苦しみます。
「おもてなしの心」を持った、国際観光都市になることと、ものづくり播磨の中心地となることは、文武両道の青年を育成するように、姫路にとってはどちらも避けては通れない必修科目です。

追記)
今日のブログに関して、知人からメールを頂きました。支局長の本意は、観光政策にもっと力を入れろということで、それは自分も同感だとのことでした。我々姫路市民も観光関係(役所、民間問わず)のかたも、「姫路の観光政策はまだまだ生ぬるい!」という意見があったことを心に留めて頂けると幸いです。


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Posted by miki at 00:14│Comments(0)政治
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