2009年01月29日

ピンチをチャンスに。航空機の小型機シフトを

エンブラエルERJ-170LR

景気低迷のあおりを受けて、航空路線の廃止・減便が報じられています。ところが、中には増便するところもあります。

28路線を廃止・減便=09年度、過去最大規模-日航・全日空(時事ドットコム)
日本航空と全日本空輸は28日、2009年度に国内外合計で12路線を廃止、16路線を減便すると発表した。燃料高で採算性が悪化していたところに世界同時不況の直撃を受け、航空需要は急減。合計28路線と07、08年度に続く過去最大規模の廃止・減便に追い込まれた。
(中略)
一方、日航は航空機を小型化し採算性を確保するなどして、羽田松山など国内7路線を増便。全日空も需要の根強い仙台福岡線を再開する。
航空機需要が減退すると、大型機を飛ばす余力がなくなり小型機でないと採算が取れなくなります。だから、景気の悪化などで需要が減ったときのことを考えれば小型機を揃えておいたほうが融通が利きます。
景気が回復すれば、大型機に戻してもいいですが、空港が今後さらに整備されていけば、小型機のまま増便することも可能。そのほうが一層便利になります。ともかく小型機は変動に柔軟に対応できるので望ましいのです。

ところが、日本の航空会社はこれまで国内便でも大型機を飛ばしていました。理由はひとえに首都圏の空港が逼迫していたから。厳しい発着便数制限があるため、やむなく大型機を飛ばしてきたのです。そのため、幹線以外で羽田便を主力とする地方空港は1日1~数便しか飛ばず、大変使い勝手が悪い状態で、また採算ラインが厳しいため、減便や路線存続の危機がしばしばニュースで報じられていました。

日本航空はかねて自社のホームページ上でも、こうした日本の空港の現状に対して、首都圏空港の強化を訴えていました。日本ほど、国内路線までも大型機を飛ばしている例は世界中探しても異例です。

今回の需要の減退は小型機シフトの大いなるチャンスです。ちなみに日本航空はブラジル製小型機を準備しています。

新ジェット機が周遊飛行、日航初導入のブラジル製(MSN産経ニュース)
日本航空が国内航空会社として初めて導入するブラジル製小型ジェット機「エンブラエル170」が2月からの就航を前に27日、最初の運航拠点となる愛知県営名古屋空港同県豊山町)から招待客を乗せ、南アルプスまで周遊飛行した。
同機は全長29・9メートル、全幅26メートルの76人乗りで、小型機ながら座席や通路が広いのが特徴。
(中略)
日航は同空港の名古屋-松山と名古屋-福岡の2路線で2機を配備し、2月1日から就航。このほか平成22年度末までに8機を羽田、静岡空港などに投入する予定。
羽田に投入と言うのは、羽田再拡張を睨んでいると思われます。これまでは、発着便枠が少なくて投入したくてもできなかったのです。

しかし羽田再拡張を待たずとも、世界不況による航空需要の減退で、可能なところから小型機シフトをどんどん進めるべきでしょう。世界中から小型機をかき集めて、減便や廃止をするのではなく、小型機シフトを一気に進めて欲しいと思います。

参考
航空機小型化へ準備着々。羽田拡張前夜(372log@姫路)
小型航空機の時代(372log@姫路)

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Posted by miki at 01:39│Comments(0)航空
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