2008年07月13日

堺・尼崎・姫路、「内海」で繋がる関西空港

姫路商工会議所姫路市下寺町

松下の出資するIPSアルファテクノロジ・姫路工場の説明会が商工会議所で開かれました。

松下電器産業:薄型液晶テレビ用パネル工場説明会--姫路に今月着工 /兵庫(毎日jp)
今回の姫路進出の理由として、ガラスやカラーフィルムなどの関連部材企業が近隣に点在し、関西空港や神戸港など世界へのアクセスが便利な点を挙げた。
(中略)
建設工事のピーク時に最大8000人の作業員、車両3000台以上が働き、現場周辺の道路事情に配慮し、船舶でコンクリートミキサー車を搬入することなどを説明した。
姫路から関西空港なんて全然便利じゃないよと思いますが、1年前のブログで、
からでも航路との組み合わせで航空貨物を使うというなら、姫路港→関西空港→国内外というルートでもそれほど不利でもなさそうです。姫路から関西空港までは、陸路だと大回りですが、航路だと淡路島が少し邪魔なものの、決定的に不利とも思えません。
と書いたように、工事中も稼動後も基本は航路を使うということなんでしょうね。
昔も今も、海運の重要性は変わってなくて、空路で運ぶ場合も海上空港との組み合わせで、やはり航路は重要。
人工島が沈むとか、工費や漁業補償など巨額の投資になってしまった関西空港ですが、航路と組み合わせて24時間こき使い、是非とも日本を救うための物流拠点に育てたいところです。
産経の記事によれば堺、尼崎、姫路の薄型パネルと和歌山住友金属の新工場を合わせると
工場建設など初期投資による効果が7549億円、工場と高炉のフル稼働時の製品出荷による効果が1兆5318億円。また、日本全体の国内総生産(GDP)への効果は初期投資が2兆2000億円、製品出荷が3兆8000億円に上る
とのこと。
「長らく関西は潜在力を生かせていなかったが、これだけ大型投資が集中するのは画期的」(神戸新聞の記事)との声もあります。

24時間運用の関西空港と、荒れにくく穏やかな内海の航路という組み合わせは、今後一層可能性がある気がします。

広畑~関西ユニット輸送事例(日鐵物流)
新日鐵広畑製鐵所から阪神地区に陸上輸送されていた鉄鋼製品を、ユニットを使うことで海上輸送に切り替えることができました。
トラックから鉄道や船舶など環境負荷の小さな輸送手段に切り替えていくモーダルシフトが盛んになっていますが、日鐵物流は姫路から大阪方面へ運ぶ場合でも関西空港近くの泉大津に一旦、船舶で運んでいます。この航路を見る限り、姫路から関西空港へは一直線って感じです。

現在ある道路が混むからと言って、じゃあ臨海部に道路を造りましょうというだけではなく、歴史的に受け継がれ、日本の強みとなってきた内海を最大限活かすことこそが、現代のエコ社会にとってより重要ではないでしょうか。ヨーロッパは鉄道社会、アメリカは車社会。そして山国でかつ島国の日本は、海運で発展してきた社会。関西の強みや潜在力って、いろいろあるでしょうが、地勢面もあるでしょうね。

参考
Eco時代に道路か海運か(JoBlog) - 日本列島の歴史は明らかに海運の歴史です。平城京の時代に陸運を重視した国衙を地方に設け陸運重視の政策を採用したが殆ど失敗している。山岳が80%を占める日本では無茶な政策だったのでしょうね。(ブログより)
シャープ堺、正式発表へ。航路経由で関空も利用(ひめナビブログ) - 製鉄は場所をとるということもあって、鉄鉱石を溶かして最終の製品に仕上げるまで、何回か運ばなければならないのですが、面積あたりの海岸線距離が世界3位の島国日本は、海上交通を使って低コストで運ぶことができます。米国だとトラックで大陸を横断したりするので、コスト面で不利。とくに海上が穏やかで海岸線が入り組んでいる瀬戸内沿岸の海上輸送は鉄鋼業界にとって好都合。そこで多くの鉄鋼関係の工場が立ち並んだわけです。(ブログより)

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Posted by miki at 01:28│Comments(0)航空
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