2010年07月16日

南海電車に、関空アクセス改善を期待

南海特急・ラピートりんくうタウン駅

明日から、成田と都心が30分台で結ばれると話題になっています。

スカイアクセス、17日開業 成田空港などで式典(asahi.com)
京成電鉄花田力社長は「世界の主要空港のアクセスに肩を並べられる」。
(中略)
事業者の成田高速鉄道アクセスの沢田諄社長は「順調に、総工事費も大幅に削減して完成できた」、森田健作知事は「やっと都心へ36分。私たちの悲願だった」と祝った。
都心と言っても日暮里までの時間です。大阪で言うなら新今宮まで。これなら南海の遅い方の特急ラピートでも勝てそうです。

要するに「やっと成田は”都心”まで36分でアクセスできるようになり、世界の主要空港のアクセスに肩を並べられるようになった」と喜んでいるわけです。関空はもともと世界の主要空港のアクセスに肩を並べていたが、成田もやっと追いついてきた。関空のほうが先を行っているのです。

韓国も負けてはいません。仁川空港ソウル都心部は、かなり時間がかかりますが、今年12月にKORAIL空港鉄道が開通すれば、ソウル駅まで40分でつながります。また、再来年には地下鉄へも乗り入れるようです。

一方、関西では関空が遠いからといってリニアだ新幹線だと言っていますが、非現実的だし、仮に湯水のごとくお金を突っ込んだところで使い勝手は悪い。上海リニアだって、都心側は中途半端なところで寸止めになっているので、乗換やら何やらで大して便利でもありません。
そのまま地下鉄に乗り入れることのできる鉄道のほうが、よほど便利だと思います。

関空までリニアを敷設する案に対して、JR東海は可能性を否定しています。

リニア整備「前倒しもあり得る」 JR東海社長が言及(MSN産経ニュース)
関西国際空港へのアクセス改善策として、大阪府橋下徹知事らが要望しているリニアの関空までの延伸については、「大阪より先の建設については、JR東海としてかかわることはできない」と話した。
所要時間だけを言うなら、関空はすでに世界の主要空港並の利便性があります。
ただ、大阪は北と南をつなぐ交通網が分断気味で、相互乗り入れが貧弱なのが問題です。

近鉄阪神が相互乗り入れをして予想以上に乗客を増やしたように、南海なんばで全部止めちゃうんじゃなくて、北大阪まで乗り入れようという意欲が欲しい。
東京では、地下鉄東西線JRがやっているように、相互乗り入れが非常に活発で、都心を貫通することが常識化しています。
阪急梅田のようなターミナル文化は捨て、南海ももっと相互乗り入れを積極的にやるべき。せっかくJRと同じレール幅なんだから、大阪環状線に乗り入れるとか、フリーゲージトレイン(軌間可変電車)を阪神に乗り入れるとかやればいいと思います。

参考
成田への“足”競い火花 京成「スカイアクセス」17日開業、JR東に危機感(SankeiBiz)
訪日外国人・倍増計画。姫路城へのアクセス強化を(372log@姫路)
首都圏の空港アクセス(372log@姫路)


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Posted by miki at 03:26│Comments(12)鉄道
この記事へのコメント
わたくしはこの北大阪乗り入れの鍵を握っているのは汐見橋線(高野線の支線)ではないかと思います。
現在、平休日とも毎時2便のみの閑散路線である汐見橋線は、もともとはこちらが高野線の本線だったため、今も複線です。これを活用し、汐見橋から先、なにわ筋を北進して最終的に新大阪までの延伸が望まれていますが、乗り入れは特急ラピート号と、和歌山港への急行(それぞれ毎時2便。急行は現在の区間急行)、岸里玉出折り返しの普通(毎時6便)の3種別がよかろうかと思われます。途中の駅は、西大橋、中之島、梅田、十三の4駅あれば十分ですが、急行は新大阪~汐見橋間は各駅に停車させないと不便を強いてしまう恐れがあります。またこの区間は、他にもJR難波から関西本線(大和路線)の乗り入れもできるように複々線で建設さるべきで、JR西日本と南海が共同で建設し、南海を第1種、JR西を第2種鉄道事業者、あるいはその逆とするのが望ましいでしょう。
ただ、この汐見橋線の延伸はもう15年早く実施されるべきではなかったかと・・・。いくら何でも遅すぎます。
Posted by ラクスの使い。 at 2010年07月16日 23:05
こんな記事があります。
http://www.asahi.com/kansai/travel/ensen/OSK200905230025.html

ただ、なにわ筋線ができて、北大阪の利便性が多少向上しても「大阪の空港」だと思います。現在、はるかが京都、草津、米原までは直通していすが、神戸方面は乗り換えが必要ですし、なにわ筋線ができてもそれは変わらないのではないでしょうか。
成田はNEXが大船、新宿、高尾、大宮などの各方面をつないでいて、東京都区部や千葉、横浜、川崎、さいたまという4政令都市が直結しているのですよね。
Posted by たー at 2010年07月17日 02:40
 おはようございます。

 マスコミや大阪北部の人は呪文のように「関空は遠い」と言っていますが、現在でも難波や天王寺から30分強で関空まで結んでいます。十分に合格点をつけられる範囲です。

 大阪・梅田へのアクセスにしても、10年もすれば北梅田地区に駅ができます(この記事 http://tabechan.cocolog-nifty.com/note/2010/05/post-f113.html の後ろのほうを見てください)。価格についても割引切符があり、意外と安いです。
Posted by たべちゃん at 2010年07月17日 06:19
ラクスの使い。さん

コメントありがとうございます。
空港関連に限らず、近鉄-阪神相互乗り入れのように南北にもいま以上に進めて欲しいですね。
Posted by miki at 2010年07月17日 21:20
たーさん

コメントありがとうございます。
東京は相互乗り入れに関しては安定的に右肩上がりに進歩したと思います。
大阪も地道に取り組むべき課題だと思います。
Posted by miki at 2010年07月17日 21:22
たべちゃん

コメントありがとうございます。

>価格についても割引切符があり、意外と安いです。

リニアだ新幹線だというのもいいのですが、値段が手頃というのも大きなウェイトを占めますよね。
Posted by miki at 2010年07月17日 21:24
 国際線の空港としてならば成田や仁川よりも関空の方が確かに便利ですが、国内線用に使おうとすると、時間も料金も不合格です。出張旅費で特急券まで出してくれる会社であれば関空を使うでしょうが、自腹を切らされるのであれば使いません。

 南海については、JRよりも関空へのアクセス距離が短いことと、高架の区間もJRよりも長く、人身事故や踏切事故で電車が止まるリスクが少ないことから、関空アクセスへの投資を南海に集中して連続立体交差事業をさらに進め、JRの車両も南海本線に乗り入れて時間短縮をするのが一番良い選択ではないかと思います。
 南海とJRとの連絡線を新今宮付近に設けて、難波の駅はJR難波駅を使い、なにわ筋か四つ橋筋の地下を通って梅田につなげるのがコストとしては安くなります。

 できれば南海とJRが1時間に3本ずつ、10分間隔で走らせてもらいたいのと、特急券の不要な車両も併結してもらいたいですね。
 それから、南海本線には待避線の増設や各駅へのホームドアの設置とともに、高架にできない区間では道路のアンダーパス等により踏切の個別除去、どうしても踏切が残る場合には第1種踏切への改修をしてもらって、130km/h以上のフルスピードで走れるようにしなければなりません。堺や泉大津、岸和田、泉佐野への停車もするのであれば余裕を見て160km/hまでは出してもらいたいです。

 目標は、関空-難波24分以内(表定速度107km/h以上)、関空-梅田30分以内、関空-新大阪35分以内です。これ以上遅いと、特に関空-新大阪は阪神高速淀川左岸線が延伸開通した時にリムジンバスに負けてしまいます。


       、
Posted by OSA at 2010年07月21日 00:43
OSAさんへ

コメントありがとうございます。

>出張旅費で特急券まで出してくれる会社であれば関空を使うでしょうが、自腹を切らされるのであれば使いません。

この辺の感覚が、例えば公費で上海リニアに乗った(と思われる)橋下知事が感じてくれるかどうかなのです。

上海リニアは中途半端なところで地下鉄に乗り換えないと都心にたどり着けない上、料金が高いのがネックになっているようです。
航空券を持っている人には割引があるようですが、それでも高い。

巨額投資で運賃が高くなってしまっては、関空島の二の舞になってしまいますが、伊丹空港跡地の売却益を全て投入すれば、格安運賃でリニアに乗れるという目算なのでしょうか。

阪急梅田-蛍池間は220円。蛍池-伊丹空港は徒歩15分ですが、モノレールを奮発しても200円で、合計420円です。
Posted by mikimiki at 2010年07月21日 07:43
まあ、南海の場合は高架化も進んでいますしね。既になんば-石津川間と松ノ浜-泉大津間は連続高架になっています。
それでも、関空へのアクセスが不十分なのが現実です。
いっその事、四つ橋線の一部区間(なんば-西梅田間)を1年程度運休して、1067mmに改軌した上で、南海の電車を走らせると言う方法も無くは無いですね。
それをしないという事は、コストが掛かり過ぎるんでしょうかね・・・?
Posted by あざらし at 2010年07月21日 18:08
>いっその事、四つ橋線の一部区間(なんば-西梅田間)を1年程度運休して、1067mmに改軌した上で、南海の電車を走らせると言う方法も無くは無いですね。
それをしないという事は、コストが掛かり過ぎるんでしょうかね・・・?

 四つ橋線は将来、西梅田から北梅田、十三まで北進して阪急電車と相互直通する構想があります。その時点で現在の集電方式や電圧(第三軌条750V)を見直すのか、見直さなくても直通できる新しい技術が開発されるのかはわかりません。ただし、今の四つ橋線のトンネルの断面は変えられないでしょうから、架線から集電する場合には高さの制約を受けて、天井の低い電車が走ることになるでしょう。

 JRや南海の電車を四つ橋線に走らせるとすれば、線路を標準軌と狭軌の4本にすることになります。
 また、現在の四つ橋線は御堂筋線ほどに混んでおらず、6両編成で運行しているので、編成とダイヤを見直せば、割り込める本数の余力はあるとは思います。

 関空アクセスへの利用については、なにわ筋線を造る金を工面できない時や、既存の鉄道路線との乗り換えや採算面で、なにわ筋よりも四つ橋筋を通した方が良いという判断が働いた時には、検討の余地が出てくると思います。





 


 
Posted by OSA at 2010年07月22日 07:41
あざらしさん

コメントありがとうございます。

>四つ橋線の一部区間(なんば-西梅田間)を1年程度運休して、1067mmに改軌した上で、南海の電車を走らせると言う方法も無くは無いですね。

改軌というのもあるでしょうし、三線軌条というのもありかと思います。
Posted by miki at 2010年07月22日 21:07
OSAさん

コメントありがとうございます。

大阪の相互乗り入れを活発に議論するのは、とても意味があると思います。
大阪府知事もそうした議論のキッカケをつくったり拍車をかけてくださった、ありがたいお方だと思えば、そう思えなくもありません。
そういうことも計算づくでおっしゃられているかもしれないし、そう前向きに思える人がもう少し増えれば、関西の中で議論も活発になって、活性化するんでしょうね。
Posted by miki at 2010年07月22日 21:11
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