2005年01月01日

空港と都市



新年あけましておめでとうございます。

新年のTOPは、早稲田大学戸沼教授の空港は地方と世界を繋ぐ「グローカル」時代の核からの引用で始めたいと思います。

江戸時代の都市は城下町として発展した。これらは江戸とは五街道で結ばれていたが、隣接する藩との交通網は閉ざされ、物流は主に藩港を通じて海路を利用していた。
明治時代には鉄道が交通の主役となり、駅が近代都市のシンボルとなる。駅前には商店街が発達し、街は駅を中心に栄えた。また、海外との貿易が始まり、函館、新潟、長崎、横浜、神戸など本格的な港湾都市が生まれた。
しかし、自動車時代の到来で、駅を核とした地方都市の構造は一変する。駐車場を持たない駅前商店街は寂れ、大資本による郊外型ショッピッグセンターが地方都市を席巻していった。


姫路市や姫路商工会議所の議論を聞いていると、神戸や大阪の鉄道依存社会との比較から駅前商店街の衰退に危機感を持ち、通行量調査や駅前地価発表に一喜一憂しているように思えます。
姫路は神戸や大阪とは異なり、自動車時代の到来で事情が一変した地方都市です。
その大波の到来という構造変化をまず正確に認識する必要があります。
姫路駅前が衰退してもいいと言ってる訳ではなく、「駅前衰退=姫路の衰退」などと言う的外れな議論は不毛だと言いたいのです。

鉄道、自動車、船舶、航空機といった主要輸送機関において、今も右上がりの高い伸びを示しているのは航空機である。1903年にライト兄弟の初飛行以来、わずか100年足らずの間に航空機産業は急激な発展を遂げた。
当初、航空機の発着場所にすぎなかった空港は、利用者の増加とともに「人の集まる場所」として注目を集めるようになった。世界の空港の中には、レジャー、ビジネス、ショッピング、宿泊、アミューズメント、リラクゼーションなど、ひとつの都市機能を備え、半日いても飽きないような楽しい空港も出現している。


ロンドンには国際空港が4つあり、空港同士が激しく競争しています。そのうちの1つヒースロー空港では、着陸料をできるだけ抑え、空港にあるショッピングセンターの売り上げ収入で運営していると聞きます。
国内の空港に「空港とまちづくり」という発想がでてきたのはつい最近。国内の航空業界や空港のありかたはこれから激変すると思います。
姫路市も都市間競争の中で、空港戦略を持つ他の地方都市との競争を余儀なくされます。
播磨空港をどうするのか。あるいは神戸伊丹岡山関西空港からみた姫路は?という視点が今後ますます重要になると思います。

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Posted by miki at 07:28│Comments(0)航空
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