2005年01月15日
姫路市にメール
姫路市地域経済再生プランで、「私もこんなとこで愚痴ってないで、ぜひ前向きな意見を応募したいと思います」と書きましたが、さきほど役所にメールしました。
書いてあることはほぼその通りと思いますが、市民に訴えかけるインパクト(わかりやすさ)が必要と思います。そこで私案を考えてみました。
[私案]
市役所を駅ビルに移転(飲食店、みやげ物等のフロアも併設)
[背景]
1 分散から集中への転換
(駅前の人通りが減った主因は駅前に行く用事が減ったから)
右肩上がりに人口が伸びていた時代に必要な仕事は混雑緩和。混雑地区から郊外への分散が必要とされます。
人口減少時代には、分散していると効率が悪いので、できるだけ集中させる必要がでてきます。
すでに福崎町など一部を除く姫路市周辺市町の人口が減少し、姫路市のみ微増傾向にありますが、まもなく姫路市も人口減少時代に入ります。
これまで郊外に移転したものを、再び中心部に戻していくという視点が重要です。
2 行き過ぎた自動車依存社会からの転換
(環境共生社会への転換)
駅前に大型商業施設を持って来ようとしても、それなら駐車場無料の郊外に行くといって、逃げられてしまいます。
自然に任せれば自動車依存はますます強まります。自動車依存が駅前中心街を衰退させているもう一つの理由です。
まちづくりや環境の観点から、クルマ社会見直しの動きは、ヨーロッパをはじめ、アメリカでもあるようです。
自動車には乗りたいけど、駅前中心街の衰退も寂しいというのが市民の平均的感情だと思います。
自然に任せて上手くいかない仕事こそ、役所の仕事。郊外で自動車に乗るのは自由だが、せめて中心街は公共交通を使おうというメリハリある誘導は必要。
せめて行政は、自動車利用が不便な中心街に行かざるを得ない用事をつくるべきです。
商売人(民間)の力は大事ですが、今のままでは基盤が弱い。もし商売の魅力だけで駅前に人を集めるほどパワーのある商売人がいたら、地方都市だったら郊外で商売するでしょう。
3 「サービス業」としての市役所職員の意識転換
(地方都市では単に職員数を減らすだけではなく、質的変革こそ望まれている)
都会(首都圏、京阪神)では、優秀な人は大企業に就職しますが、地方都市で優秀な人は転勤の無い市役所職員や教員になります。地方都市にいる優秀な大企業の社員は、転勤でいつか他都市に行ってしまいます。
都会で人材豊富な民間活力に期待するのは当然ですが、地方都市ではそれだけでは無理。民間に任せるというのを言い訳にするのではなく、市民の目にさらされるところで市長はじめ市役所職員が先頭を切って活躍して欲しいと思います。
市の職員は、とくに地方都市において貴重な資源です。
[考えられる効果]
1.直接効果
職員食堂を造らなければ、少なくとも、職員が駅前で昼ごはんを食べるだけで飲食店が生き返ります。
(姫路市職員数 3,631人。ただし本庁の職員数は不明)
2.間接効果
1)市役所に用事のある市民や企業人が、駅前中心街に出てくるため、人出が増えます。
2)姫路を訪れるビジネスマンや観光客を、玄関口で市長ほか市の職員が出迎えることができます。
(「おもてなし姫路」を市民の先頭に立って実践できる)
3)市の中心街で市民と触れ合うチャンスが増え、より市民の立場に立った仕事ができます。
3.行き過ぎた自動車依存体質の見直し。
市民が無料駐車場の少ない駅前に出る機会を増やすことにより、公共交通の再評価のきっかけをつくることができます。
[実現可能性]
民間に期待するとか市民に期待するというのは、理屈ではその通りですが、行動と結果の因果関係が見えにくいため、評価が困難。
できなかったら、「市民が頑張れませんでした」で終わってしまいます。
本私案では、
1.実行が容易
1)市役所が市議会に諮って可決されれば、期限を決めて実行可能。
2)民間誘致をあてにしたわけのわからないビルを建てて、空室をつくるというようなリスクがありません。
2.市民の抵抗感が少ない
どうせ駅ビルは建てるのだから、無駄使いという批判が少ない。
3.定着性が期待できる
大型商業施設誘致もいいけど、民間は撤退も自由で、業界の競争が激しいため進出と撤退を頻繁に行っています。いつ撤退があるかわからず、その時の打撃は計り知れません。とくに姫路では郊外店との激しい競争が考えられます。
[参考までに]
日刊工業新聞(1月14日)によれば、福島駅前の閉店する百貨店に、福島市庁舎を移そうという案が、市議会に提案されるそうです。イオンに誘致を働きかけたが、断られたための案とのことですが、土地・建物を所有する積水ハウスも「市役所なら(提案に)のりたい」とのこと。
個人的には、いつ撤退するかわからないイオンを誘致するよりいい案だと思います。
郊外店が撤退するならまだしも、その街の顔が企業の都合で撤退するのは打撃が大きすぎます。
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Posted by miki at 00:26│Comments(6)
│政治
この記事へのコメント
はじめまして、最近よく拝読させていただいております。私は、堺市に在住しております。都市環境は、姫路市と共通する部分もあろうかと思います。
自治体が行う街づくりに関しましては、過去と同じ失敗が全国各地で繰り返されており、危惧する点が多々あるのですが、最近、ある方から、日本政策投資銀行の藻谷浩介さんという方の講演がおもしろいと教えていただきました。この方、本業は銀行屋ですからデベロッパーに資金を貸す側の立場にあるのですが、街づくりという観点では非常に冷静な分析をされておりまして、且つわかりやすいです。年間200以上の講演をこなされているようで、検索したら多数ヒットするかと思います。もし、参考になるようでしたら。すでにご存知であれば、お許しください。
http://www.skbk.co.jp/randi/images/pdf/KRZ0305.pdf
Posted by 受験生 at 2005年01月15日 11:12
山陽百貨店の駅前市役所のようなサービス拠点としてではなく、本体が移転することがポイントでしょうか。駅前に最低限の賑わいを半永久的に持続させる確実な施策として有効だと思います。
多分、現市役所はどうするんだ?という声があると思いますが、現市役所に移転したのが1980年ですから今年で25年。駅ビルの完成時期を考えると十分可能性はあります。移転跡に大学でも誘致できれば一石二丁ですね。
ただ、フロア単価等を考えると、移転場所としては駅周辺であれば必ずしも新駅ビルでなくてもいいかもしれません。
Posted by シド at 2005年01月15日 11:27
受験生さま
コメントありがとうございます。
藻谷さんは、私もたまたまネットで見つけて面白く拝読しました。(別の講演です)
姫路のある市会議員さんに紹介したところ、興味を持っていただき、市の担当の部長さんにも話をされたそうで、いま、藻谷さんを呼べないかという話になっているとのことです。
今後ともよろしくお願いします。
Posted by miki at 2005年01月15日 17:25
シドさんへ
コメントありがとうございます。
受験生さまご紹介の藻谷さんの佐世保での講演内容を読ませていただきましたが、いまや東京でも百貨店の8階を埋めるのは厳しいとの話でした。
単価云々というのは、本当に実態を反映しているのでしょうかね。
また、単価が実態を反映していたとしても、市場経済に完全に任せずに、姫路としてどういう玄関にしていこうかという意志入れも必要かと思います。
ニノミヤムセンも息絶えたりしてますが、イオンやミドリの開店や撤退を郊外でやっていただくのはまあ市場経済にまかせても仕方がないかなという気はしますが。
Posted by miki at 2005年01月15日 17:32
実は姫路人です。これから拝見しますね・よろしく」
Posted by wakienji at 2005年02月19日 22:01
wakienjiさんへ
コメントありがとうございます。
私も東京に住んでいたことがありますが、現在は姫路です。
今後ともよろしくお願いします。
Posted by miki at 2005年02月20日 07:46