2010年02月22日

自動車乗入れの見直し。姫路駅北

ベネチアの路地

世界的な観光地、イタリアのベネチアには、自動車が走る道路がありません。ベネチアは島みたいなところで、至るところに運河があり、移動は船を使うので、自動車が必要ないのです。

街にある道は、すべて人のためにあります。細い路地や少し大きな通りなどが複雑に絡み合っていて、様々なお店と観光客で賑わっています。

ベネチアの朝は清清しい。車の音が全くない。船のエンジン音と教会の鐘の音しかしません。
自動車優先社会に慣らされてしまった姫路の人間にとっては、素朴な感動を覚えます。

いま姫路駅の北側では再開発が進められていて、その目玉として一般車を締め出す、トランジットモールを取り入れようとしています。(導入が予定されている地域

これ、世界の流れですね。

公共交通が自動車より優先されるまち:スイス・チューリッヒ市の事例から(国際文化研修2010冬)
チューリッヒ中央駅前のBahnhofstrasseは、高級ブティックが立ち並ぶチューリッヒで一番の目抜き通りだが、この通りはトランジットモールとなっている。
(中略)
トランジットモールのエリアにおいては、歩道と車道(あるいは線路)との境界がほとんどなくなり、人々は段差無しで行き来をすることができる。その代わり、自動車利用者は、通り抜けができないために、遠回りを余儀なくされる。
昨日、服部圭郎さんの「道路整備事業の大罪」(洋泉社)を読んでいたのですが、道路を整備しても地域が豊かになるわけでなく、逆に衰退することもあると書いておられました。
米国で2番目に大きい都市・ロサンゼルスは、極度の自動車依存都市だったのですが、土地の6割が道路や駐車場に使われているにも関わらず、渋滞は悪化の一途。遅まきながら1990年以降、5路線118キロの地下鉄を造り、バスも増強しているとか。

自動車、道路を活用することは大事ですが、過度の依存には限界があり、必要に応じてコントロールしていく必要があるように思います。

参考
中心街はマイカー規制(372log@姫路)
どこまでいっても満足できる道路整備などない(372log@姫路)
「姫路の顔づくり」を考える専門家会議(朱鷺の風日記) - トランジットモールの活用は今から私たち市民が力を付けないと、行政任せでは困ります。広場とは何か、イベントはどうあるべきか、自転車はどう進入するのか、駐輪場は?と解決するべき課題は、単にハードの整備では解決できません。(ブログより)

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Posted by miki at 00:00│Comments(2)クルマ
この記事へのコメント
公共交通優先の動きはヨーロッパにとどまらず、自動車王国と言われたアメリカにも広がっています。
引用されていたロサンゼルスはかつて世界最大を誇った路面・郊外電車網がありましたが、モータリゼーションの進展で採算割れとなり、どんどん廃止が進みました。現在のフリーウェイもその跡地を転用した所が多いです。
ただしマイカーなどの個別交通はどうしてもキャパシティーの問題があり、すべての需要を賄おうとすると、街の半分以上を駐車場にしても賄い切れないという事態に陥ります。そこでかつての鉄道網を復活させている訳ですが、これは長期的に見るとかつて廃棄したインフラの再構築ですから、資金の無駄遣いとしか言えません。
翻って姫路には、市営バスは撤退するとはいえ比較的稠密なバス網があります。一部でLRTを導入せよとの意見もあるようですが、姫路市の規模では負担が大きすぎると思います。それよりも既存のネットワークを活用しつつ、市中心部はマイカー規制する代わりに郊外に駐車場を用意してパークアンドライドシステムを導入。さらにバス優先レーンの整備やバス同士の乗り継ぎ割引き、運賃の低減や利用しやすいダイヤ設定など、既存の路線網を活用しつつうまくマイカーとの連携を取っていくのがベターだと思います。大事なのは今あるインフラを赤字を理由に安易に放棄しない事。過度の自動車依存は街を衰退させるだけです。
Posted by 通りすがりの姫路出身者 at 2010年02月23日 10:11
通りすがりの姫路出身者さん

コメントありがとうございます。

>今あるインフラを赤字を理由に安易に放棄しない事。

同感です。
Posted by miki at 2010年02月23日 22:02
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