2019年02月28日

大学、高校を卒業する皆さん



大学、高校を卒業する皆さんに、ぜひ伝えたいことがあります。それは、学校を卒業しても「生涯学びを続けよう」ということです。
これには3つ理由があります。

1つ目の理由は、「平均寿命が延びて、学校を卒業してからの人生がこれまで以上に長くなるから」です。

イギリスの研究者、リンダ・グラットンさんが言っていますが、平均寿命は年々長くなっていて、みなさんの半分のかたは100歳以上生きることになります。

従って、学生時代の20年程度で学びをやめてしまったら、その後の何倍もの長い人生、成果を出し続けることは難しくなります。

「生涯学びを続けよう」という2つ目の理由は、
「今後技術が発達し、社会が大きく変わると言われていて、学んだ内容が、生涯通用するとは限らないから」です。

人生がいくら長くなっても、その期間、社会がほとんど変化しなければ、影響は少ないでしょう。

しかし、これから先、どんどん時代は変わると言われます。人工知能が人間の仕事に取って代わるという人もいます。
今はまだ大丈夫でも、さらに技術が進めばなくなる仕事が出てくるかもしれません。
仕事がなくなるということは、社会に貢献できなくなるということ。人は自分が社会に貢献できない、できていないと感じると、人生に対して充実感、喜びを感じにくくなります。
今後は、皆さんが社会に出た後、自分自身を変身させる覚悟が問われる状況になる可能性が高まります。
新しい社会や環境に合わせて適応するためには、つねに謙虚に、学び続ける必要があります。

「生涯学びを続けよう」という3つ目の理由は、「様々な学びは成長につながり、成長すれば喜びにつながるから」です。

先日PTAの集まりである連合会の研修会があり、林芳正前文部科学大臣のお話をお伺いする機会がありました。
そこで、「人生100年時代構想会議」のメンバーの中に、83歳でゲームアプリ開発者の若宮正子(わかみやまさこ)さんというかたがいらっしゃることを知りました。
若宮さんは、高校卒業後、銀行に勤めて社会経験を積んでいましたが、技術者ではありませんでした。パソコンに初めて触ったのは60歳。
おしゃべりが好きでしたが、介護の関係で外出することが容易ではありません。
ある時、パソコンに「チャット」といって、画面上でお喋りをする機能があることを聞き、とりあえず見てみようと思って、電気街に行ってみた。
これが、のちにゲームアプリを開発することになるきっかけにつながります。

学びながら経験し、経験から学ぶ。職業経験や地域の活動、そして子育ての経験からも人は様々なことを学びます。
若宮さんも、「学び」が楽しくてしかたないようです。

様々な学びは成長につながり、成長すれば喜びにつながります。

大学、高校の卒業を、「学びからの卒業」にしてはいけない。
与えられたカリキュラムをこなすだけの狭い意味の「学び」に留まることを卒業し、様々な経験や自らの意思で主体的に学んでいく、幅広い学びの人生を始めてほしい。

学問のすすめ」を書いた福沢諭吉は、『天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず』と言われるが、世の中には賢人・愚人(ぐじん)や貧富の差がある。これは何故だろうか?それは学ぶか学ばないかによって決まるのだ。」と言っています。

皆さんが、「生涯学びを続け、成長することで喜びを感じる人生を送ること」を願います。

参考
インタビュー:リンダ・グラットン氏 —寿命100年時代を生き抜く—(アデコ)
人生の8割くらいは「学びの期間」(372log@姫路)

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Posted by miki at 13:07Comments(0)学校