2015年09月20日

憲法学者講演会

姫路市

憲法学者の小林節さんが姫路で講演されました。

安保法案の本質は「戦争法案」 慶応大学名誉教授が講演 姫路(神戸新聞NEXT)
播磨政経懇話会(事務局・神戸新聞姫路支社)の9月例会が18日、兵庫県姫路市南駅前町ホテル日航姫路であり、慶応大学名誉教授の小林節(せつ)氏が「安保法案の問題点を探る 憲法学者が違憲とする理由」と題して講演した。
(中略)
憲法とは権力者の職権乱用を許さないものだ。
(中略)
国家賠償請求訴訟を検討している。憲法違反の法律はつくり直せばいい。世論はそれなりに考えている。
100人規模の原告団で訴訟を検討中。

「違憲」訴訟相次ぐ可能性 小林節氏「平和に暮らす権利侵害」、100人規模の原告団も(産経ニュース)
100人規模の原告団で国に賠償を求める訴訟を検討していることを明らかにした。
姫路の講演を聴いたわけではありませんが、小林さんは以前から存じ上げています。(慶應の先生でした。今は名誉教授)
改憲を主張する憲法学者は、以前は珍しかったのですが、小林さんは昔から一貫して改憲論者ですね。

現政権の憲法改正案が、立憲主義をそもそも理解したものでないので、改憲は任せられないとのお考えのようです。
小林さんの考えで、以前と変わったのは、集団的自衛権に反対していること。
護憲的改憲で、いいところは残すのだと。

(本格的に)憲法で国を統治するようになった起源は、アメリカ合衆国建国時にさかのぼります。
アメリカ合衆国を統治するのは、国王か?
いやいや。イギリス国王にいじめられたのに、そんなのイヤだ。選挙で大統領を選ぼうと米国民は考えました。

権力者はやりたい放題、国民の義務ばかりが増える 日本人が知らない自民党憲法改正案の意義とリスク ――小林節・慶應義塾大学法学部教授に聞く(ダイヤモンドオンライン)
血筋で指導者を選ぶのではなく、選挙で選ぶ任期付きの大統領職を設けようということになりました。大統領は、王と違って神ではありません。人間だから間違いも犯す不完全な存在です。
だから、「権力」という個人の能力を超えた実力を持つ為政者を、法で縛ろうという考え方が出て来た。つまり、権力者たる生身の人間を管理するという目的が、憲法の起源なのです。これは、人間の本質がこうである以上、決して変わらない理念なのです。
大統領を選ぶのはいいとして、個人の能力を超えた権限を「不完全な」個人に与えて大丈夫か?
「そうだ、与える代わりに法で縛ろう」としてできたのが憲法。

憲法は、民法や刑法などとは異なり目的がはっきりしている。
ところがその憲法に、「家族は、互いに助け合わなければならない」のような、「権力を縛る」のでなく、(逆に)「国家が個人を縛る」ような文言を入れようとする現政権は、「憲法の本質をわかってんのか?」と疑問を呈しているんです。

司法の場で、安全保障関連法が違憲と判断されれば、無効になるのでしょうけど、
またもや「地方裁判所で違憲」、「最高裁で判断しない」とか言うんじゃないでしょうね?

参考
違憲訴訟、年内にも=原告1万人目指す—安保法制、法廷闘争へ(ウォール・ストリート・ジャーナル) - あるベテラン裁判官は「訴訟が起こされたら裁判所は真剣に受け止め、考える。近年ないほどに重い事案となる」と話す。ただ、別の裁判官は「司法が国の進む方向を決めていいのか。選挙で選ばれた国会議員が決めたことで、裁判官は選挙を経ていない。間違いと思うなら、政権交代させるべきだ」と指摘している。(記事より)
統治行為論(wikipedia) - 何で最高裁で判断しないか。
この本を読んでいれば、総理を辞めずに済んだかも(372log@姫路)
紙上も賑わす、「にぎわい」広場(372log@姫路) - 首相を批判することが、民主主義の世の中にとって、とても大事なことだということが本当に理解されているのか。(ブログより)
安保法案に集団違憲訴訟へ 弁護団長の小林節氏、安倍首相を厳しく批判(ハフィントンポスト) - 小林氏はもともと、改憲派の学者として、改憲を党是とする自民党の議論を主導してきた。(中略)しかし、2012年末に2度目の首相に就任した安倍晋三氏が、衆参3分の2以上の賛成を定めた憲法96条の規定を改正し「2分の1以上」に緩和することに意欲を見せると、これを強く批判した。(記事より)

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Posted by miki at 01:37Comments(0)社会