2014年11月30日

問われる市立幼稚園

姫路市内の私立幼稚園

幼稚園の保育料が変わります。

姫路市立幼稚園の料金体系変更 定額制から応能負担へ(神戸新聞NEXT)
19年度までの5年間で段階的に引き上げ、最終的に私立の6割程度とする見通し
数日前の記事には、「一気に上げる判断は難しい」とありました。

来春開始「子育て新制度」 公立幼稚園の料金に地域差(神戸新聞NEXT)
姫路市は「公表できる段階ではない。公立は市内に46園あり、料金は月6300円。一気に上げる判断は難しい」。
要は現行の約6千円を、1万数千円まで上げるが、目立たないように5年間かけて徐々に上げるということです。

公立と私立の保育料差がなくなれば、保育の質の差が焦点になります。
私立の中には延長保育や通園バスが充実するところもあり、一方公立は地域密着で公立小学校への連続性が期待できます。

料金格差が減れば、公立幼稚園が今後も選ばれ続けるのかどうか。
また、その結果として地域コミュニティ力が低下しないのか?

そういう危惧を他所に、神戸市は公立幼稚園をかなり減らす方向。

市立幼稚園10カ所程度廃園へ 神戸市教委が方針(神戸新聞NEXT)
市教委は、来春始まる「子ども・子育て支援新制度」に合わせ、削減の検討を本格的に開始。人口動態や私立の設置状況などを踏まえ、市街地にある32園のうち10カ所程度を閉じる方針を決めた。
姫路市も過去に減らしたとはいえ47園あります。
人口3倍の神戸市が姫路の半分以下になるんですね。

そもそも公立幼稚園がない市もあります。

横浜にはなぜ市立の幼稚園がないの?(はまれぽ,COM)
横浜市は私立の幼稚園が多いので、幼稚園は十分に足りているという判断です。ですから今後、市立の幼稚園をつくろうという動きはないと思います」
姫路にも(横浜や神戸ほどではないにしろ、)私立幼稚園保育所がそれなりの数あるので、公立幼稚園がいるんだろうかという議論は出てくるでしょう。

阪急電鉄が学童保育に参入 沿線の利便性向上を 関西の私鉄で初(産経WEST)
少子高齢化で将来的に見込まれる沿線人口の減少を食い止めるため、子育て世代のニーズに応えて沿線の利便性を上げ、鉄道の利用客の増加につなげたい考えだ。
都会では母親(や父親)が電車を使って働きに出るため、最寄り駅に子供を預けることができれば沿線価値が上がります。
交通事業者自体が子供の預かり機関をつくることのメリットは大きい。

今後姫路でも、保育所や幼稚園が交通事業者など思わぬ事業者から提供されるかもしれません。
例えば、姫路の母親の行動パターンとして、仕事帰りに郊外スーパーで買い物してから帰るから郊外スーパーが預かり機関を併設する等。
郊外スーパー間の競争が激しい地区では、子供を迎えるため毎日足を運んで貰えるメリットがあります。

私立の保育所や幼稚園が増えれば、公立幼稚園は必ずしも必要ないと考えることもできます。
神戸市が縮小方向を示したように、姫路もどう考えるのか、示して欲しいものです。

参考
子育て支援ビジネス拡大の裏側と経済効果…鉄道会社、保育事業に注力のワケ(ビジネスジャーナル) - 少しでも電車利用者や沿線に住む人を増やすためには、乗りやすい電車にしていくと同時に、暮らしやすい沿線づくりをする必要があるというわけだ。子どもを預けて働く親にとって、保育園への送迎時間はできるだけ短縮したいところであり、駅型保育園のニーズは大きいものがある。(記事より)
公立幼稚園、大阪市と福岡市で全廃へ(ハフィントンポスト)
<浜松市立幼稚園再編>市立13園閉園計画 浜松市教委 (静岡新聞NEWS)

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Posted by miki at 00:00Comments(2)子ども