2013年08月04日

地下鉄建設に反対するロス市民。車 vs 地下鉄

姫路市内

車中心か、公共交通中心か。神戸のように土地のないところでは議論の余地はありません。
車中心の社会などありえないからです。

ところが、ロサンゼルス市では、議論の対象になります。

ロスアンゼルスの住宅事情(ロスアンゼルス都市計画情報)
郊外の住宅地は、ほとんどすべてが車中心にできています。道巾は広く、近隣商店はなく、買い物は大規模ショッピングセンターへ買い出しにいくというパターンです。電車はおろかバスのサービスもないところもあります。
(中略)
ほとんどの人が自動車を利用するロスでは、中高所得者はほぼ100%が車を持っていて、公共交通を必要としていません。低所得者でも車を持とうとしますが、持てない人の割合はどうしても高くなってしまいます。したがって、地下鉄ルートは、車を持っていない低所得者層が多く住むエリアを多く通るように考慮されています。
日本では地下鉄のルートが自分の家の近くにくる場合、反対する人はほとんどいないように思います。しかし、ロスでは高級住宅地を多くかかえるような地域では、地下鉄の路線がくるのに反対を表明することも少なくありません。理由のひとつには、ほとんど利用しないであろう地下鉄に巨額の予算を投入するのは無駄だというもののようです。
ロサンゼルスには、車中心が行き過ぎた結果、コミュニティ意識が希薄で冷たい社会と感じる人もいて、「車中心でいくのか、地下鉄中心でいくのか」といった議論が、市民をまじえて行われているようです。

では姫路はどっちなのか?
「ドーム建設か、中止か」みたいなのはありましたが、「車中心か、公共交通中心か」が争点に市長選が行われた記憶もありません。

姫路バイパスが混んでいるからといって播磨臨海地域道路神戸空港総事業費の2倍近く(5600億円)かけると言ってみたり、一方で、姫路駅前にマイカー通行規制をかけてみたり・・。

播磨臨海地域道路の建設根拠である姫路バイパスが混んでる原因のひとつが、マイカー通勤。JR新快速山陽電車が頻繁に併走しているのに、個人が思い思いにマイカー通勤してたら、道路なんていくら造っても足りません。有料の阪神高速道路を持ち電車通勤が基本の阪神間のように、姫路バイパスを有料化(もしくは山陽自動車道の無料化)し、可能なかたは公共交通を通勤に利用した上でないと、播磨臨海地域道路建設に疑問が残ります。

車中心か、公共交通中心かというのは、どちらか一方でいいというものではないでしょうが、限りある資源を効率よく活かし、また強固な地域コミュニティを維持発展させる知恵が、姫路には求められる気がします。

参考
播磨臨海地域道路(姫路市長の日々想) ← 「はりまの成長なくして日本の成長なし」はその通りですが、「国道2号バイパスでは、交通量が1日12万台を超え、渋滞が常態化し、物流効率の悪化を招くなど産業力強化を阻害する大きな要因となって」いる原因の一つが、(代替手段があるにも関わらず通行する)マイカー通勤。
播磨臨海地域道路推進。課題は5600億円の建設費(372log@姫路) - 道路は1本でも多いほうがいいですが、中国自動車道や山陽自動車道を使ってもいいような車が無料だからという理由で姫路・加古川バイパスに流れ込んでいるということはないのでしょうか。もしそうであれば、中国自動車道や山陽自動車道を無料にして、姫路・加古川バイパスを100円でもいいから通行料をとればいいのでは?(ブログより)
どこまでいっても満足できる道路整備などない(372log@姫路)
神鋼加古川製鉄所が、エコ通勤優良事業所に(372log@姫路) - 通勤以外にも、ちょっとした工夫でクルマを減らす方法はあります。事業所や施設のパンフレットに最寄の公共交通機関の案内を入れるようにするとか。公共交通機関の利用方法が分からない、調べるのが面倒だからクルマで行っちゃえというのは、播磨だとよくあります。(ブログより)

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Posted by miki at 11:22Comments(1)交通