2012年12月31日

史上最強の総務部長は、姫路銘菓「玉椿」の命名者

伊勢屋本店姫路銘菓「玉椿」

黒田官兵衛が戦国最強の知恵者なら、江戸後期最強の知恵者は、河合寸翁(すんのう)かもしれません。共通点はどちらも姫路城生まれ。

姫路藩家老・河合寸翁(道臣)は、困窮する藩の財政を立て直すために特産の木綿に目を付けました。
当時市川加古川流域で採れた高品質の「姫路木綿」は、流通に問題がありました。

姫路藩家老 河合道臣  民は国の本、人材は国の宝(日本の素晴らしい歴史)
大坂の問屋が介在することで、仕入れ時の買い叩きや、かなりの中間利益が吸い取られていることを知った河合は、大坂市場に見切りをつけ、藩が独占して江戸直送。江戸表で売り捌く専売権獲得を思いつきました。これは先例が無かったため事前に入念な市場調査をし、幕府役人や江戸の問屋と折衝を重ねた上、文政6年(1823年)から江戸での木綿専売に成功します。色が白く薄地で柔らかい姫路木綿は「姫玉」「玉川晒」として、江戸で好評を博しました。
(中略)
河合は、たいへん学問好きでその素養も深かったが、人間味もありました。家老とは、今の会社で言えば総務部長のような役職で人事と予算を扱います。かれは酒井家の武士たちに、「常に藩民の模範となるように心がけろ。どういうことをして自分を役立てるかは、それぞれよく考えろ」と言っておりました。
その他諸々の改革が実り、歳入の4倍以上あった姫路藩の累積債務は、27年かけて完済できました。

河合は藩主ではなく、家老、つまり企業で言うところの総務部長。剛腕というよりは、学問好きで武士たちを自律させる方法を採りました。「採用基準」の著者・伊賀泰代流に言えば、「リーダーシップの総量」を大きくしようとしたのですね。
姫路藩4人の藩主に仕えましたが、トップがころころ代わっても、しっかりした総務部長がいれば安泰ということでしょうか。

伊勢屋本店の姫路銘菓「玉椿」の命名者でもあるそうです。

参考
河合寸翁顕彰会(姫路市長の日々想) - 先日、姫路市、姫路市議会姫路商工会議所姫路経営者協会、姫路市連合自治会、婦人会、老人クラブ連合会、姫路市医師会など各種団体が発起人になり、河合寸翁顕彰会を設立しました。(ブログより)
徳島藩が、絶品の鳴門鯛を「姫路鯛」と名乗った理由(372log@姫路) - 河合が考えたのは、「対岸の四国の阿波徳島藩(蜂須賀家)が、自分の領海でとれる鯛を“姫路鯛”と名付けて利益を得ている。 これはけしからん。 姫路鯛と名乗る以上は、その名称の使用料をこっちに納めるべきだ」と主張したのである。(引用先記事より)
河合寸翁(郷土史ひめじ)
リーダーシップの総量。姫路にリーダーを50万人つくろう(372log@姫路)

追伸

今年の書き込みはこれで終わりです。
ブログを読んでくださったかた、人気ブログランキングをクリックしてくださったかた、「読んでるから続けてや!」とか「しっかりした内容のブログやね」とおだててくださったかたがた。本当にありがとうございました。

今のところ、今後も続けようと思っていますので、2013年もよろしくお願いします。
よいお年を!

← 1日1回クリックして頂けるとRankが上がります
  

Posted by miki at 00:00Comments(1)政治