2012年10月11日

雨の日に傘を貸さず、晴れたら傘を貸す

京都大学

銀行を揶揄する言葉に、雨の日に傘を貸さないのに、晴れたら傘を貸すという言葉があります。
企業が調子の悪いときには焦げ付いたら困るからお金を貸さず、調子が良くなると金を借りてくれという。
本当にお金が必要なのは、お金のない、調子の悪いときなんですが。

ノーベル賞を受賞して世界的に注目を集めるiPS細胞の山中教授。これまでは、国の予算が頼りでしたが3年前には危機が・・

マラソンでカンパ訴えた山中教授 事業仕分けで苦しんでいた?(J-CASTニュース)
民主党政権に交代した09年になると、科学技術予算は、容赦なく事業仕分けの対象になった。山中教授のプロジェクトも、その1つに挙げられたのだ。これに対し、山中教授は、ほかの研究者らとともに会見を開き、日本は海外より10~20年遅れた環境で研究しているとして、仕分けを「想像を絶する事態」だと強く批判した。
プロジェクトの予算は、結果的に削減されなかった。しかし、自民党政権時代は2700億円あった内閣府の最先端研究開発支援プログラムは、1000億円に大幅な減額を余儀なくされた。その後、山中教授のプロジェクトは、最大枠の50億円が確保されたが、もし以前のプログラムのままなら、150億円が充てられた可能性がある。つまり、3分の1にまで減らされた恐れがあるということだ。
そしてノーベル賞受賞で晴れ間が見え、民間資金を集めることにも光が見えてきた・・と思ったら。

「内閣挙げて研究支援」 田中文科相(日本経済新聞)
三井厚労相「さらに支援したい」(MSN産経ニュース)

民間資金が集められないときじゃなく、世界的に評価されたら支援するというのでは、国の役割は一体何だということになりかねません。

国がお金を出す基準としてたとえば

誰もお金を出してくれないほど
1 (実現性は高いが)時間がかかる基礎研究
2 (実現したときの効果は大きいが)実現性が低い基礎研究
3 (実現性は高いが)巨額資金の応用研究

みたいな基準が考えられます。
実現性が高くて巨額でない応用研究への支援は、国ではなくて民間でやるべきでしょうね。

「支援しよう」というなら、どういう位置づけなのかも示して欲しい気がします。
ちなみに政府挙げて3に絞って実施してきたのが韓国。これからはわかりませんが。

参考
アメリカの宇宙開発は官から民へ。日本は???(六本木で働いていた元社長のアメブロ)
米学者2人にノーベル化学賞、韓国人学者3人も研究に参加(中央日報)

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Posted by miki at 23:43Comments(0)科学