2012年07月22日

ヘリコプター + 飛行機 = ティルトローター

AW609伊・アグスタウェストランド社

米軍のティルトローター機を日本にも配備するということが話題になっています。

オスプレイ、20知事不安視 10人、配備・訓練反対(朝日新聞デジタル)
23日に山口県岩国市に陸揚げされる米軍の新型輸送機MV22オスプレイについて、10県の知事が国内配備や低空飛行訓練計画に反対していることが、朝日新聞の全国知事アンケートでわかった。
ティルトローター機は、米軍だけが持っているわけではなく、ヨーロッパや民間機にも広がりつつある方式。外見はプロペラ機に似ていますが、ローターの角度を変えることでヘリコプターのように垂直上昇ができます。

アグスタ・ウエストランド、民間用ティルトローター機AW609の近況(Fly Team)
すっかり「危険な航空機」扱いされているティルトローター機ですが、アグスタ・ウエストランドでは民間用のティルトローター機AW609を開発中です。2012年7月11日には、開発の要となる3社とサプライヤー契約を結びました。
AW609は、V-22オスプレイを開発したベルと、アグスタ・ウエストランドが共同開発していた民間用のティルトローター機です。
(中略)
AW609計画は、イタリアのカッシーナ・コスタにあるアグスタ・ウエストランドの開発チームで管理され、アメリカのテキサス州アーリントンのアグスタ・ウエストランド・ティルトローターでは今年の2月から試作1号機を使用して試験飛行を続けています。
アグスタ・ウエストランドでは、2016年の上半期にFAAEASAの型式証明を取得するとしています。民間でもティルトローター機が当たり前になる時代が来るかもしれません。
普通に考えれば、鉄の塊が空を飛ぶのですから、ヘリコプターだって飛行機だっていつ落ちてもおかしくありません。

それでも、先人が歴史を刻み、実績を積んできてくれたおかげで、現在ではわれわれも(落ちるかも知れないなとは思いつつも)飛行機を利用させてもらう機会があります。
対して、ティルトローターは、あまり実績がありません。見慣れたヘリコプターや飛行機とは異なる動きもします。

だから不安感を持つのは当然だし、仮に不安を煽ろうと思えば、格好のネタにもなりえます。

ティルトローター機の展望(航空の現代)には、「人類の飛び方が変わる」という表現が出てきます。
人類が空を飛び、それによって地球規模の活動が行われていることは周知の事実。これは先人たちの勇気や知恵や努力があったからこそ。

では、われわれは将来に何を残せるのか。「なじみのない飛び方をする航空機もどきなど不要。先人が残してくれた実績のある航空機だけで十分。リスクは先人は負ってもいいが、われわれは決してリスクは負いません」というのもひとつの選択です。
ティルトローター機を日本は将来にわたって受け入れません、危なそうなことはとにかく避けますというのか、どうなのか。

「沖縄」「米軍」など、問題を複雑に考えようと思えばネタは尽きませんが、まずは「ティルトローター機を日本で飛ばしてもいいのかどうなのか」「人類の飛び方を変える技術に対して、何らかの許容ができるのか」が本質のような気がします。

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Posted by miki at 00:44Comments(2)航空