2012年01月05日

ローカルなものにしか価値がなくなる

姫路の風景・播磨国総社姫路市総社本町

TPPとかグローバリズムとか、要するに開国して自由に競争して、オープンにしてという流れが止まりません。

TPP見据え農業支援 井戸・兵庫県知事に聞く(日本経済新聞)
国はTPPで大きな打撃を受けるとされるコメについて大規模集約化を目指す方針だが、井戸知事は「豊岡市で作られるコメ『コウノトリ育むお米』は、安全で安心な商品として高値で取引されている。清酒に使われる酒米『山田錦』の出荷量は全国一」と説明。
その上で「中国の富裕層は日本の食品に対して関心が高い。ブランド化に成功すれば輸出も視野に入れる」とした。
TPPに賛成か反対かというと意見は割れますが、鎖国に反対か賛成かと聞かれたらみんな鎖国に反対するでしょう。
TPPに反対と言っても、手続き論であったり、保護分野の折衝の問題であったりと、局所的な反対のケースがほとんどで、開国の流れがせき止められる可能性はほとんどありません。

一般には弱いといわれる農業分野だって、例えば播磨神戸ビーフや山田錦のように海外では望めないような高級品は、必ずしも悲観的になる必要はないでしょう。

一方で、世界中どこにでもあるようなものは、み~んな一緒になってしまうんだろうなと思います。すでにMade in Chinaのモノや韓国製家電が日本でも溢れていますが、例えは、地方都市も今以上に画一化してしまう恐れがあります。

結局、街はローカルが勝ち!(Chikirinの日記)
その埼玉県の街は、そのまんまアメリカの郊外の街だったからです。JRの駅があることを除き、ほぼそのまんま。こういう街をあたしはたくさん見てきた。だから「こんなとこにアメリカの田舎町ができてるんだ!」って驚いたのでした。
(中略)
新三郷に生まれて、あそこで育って、出張でアメリカの郊外の街に行ったら、きっと驚くと思う。「なにこれ?あたしの生まれた街と同じじゃん?」って。
(中略)
「その街にしかない」「その街に行かないと、アレがない」、というものが無い街は潰されてしまう。「ローカル」なものをどんだけ保っていけるかで、街の勝負がつく、ということなんだよね。
極論で言えば「ローカルなものにしか、価値がなくなりつつある」んですよ、世界では。
ところが「ローカルであり続ける」ためには、一定の人口密集が必要なんです。だから、大都市だけがローカルのまま踏ん張ることができ、郊外や地方都市は急速にグローバル化してしまう。
姫路が発祥の一つでもあるイオンがアジアに進出していくのは嬉しい反面、アジアのイオンモールのある街で育った若者が姫路にやってきたとき、姫路にイオンモールしかなかったら、「わざわざ日本まで行ったけど、面白いものが無かった」ということになります。

大都市圏だと、古いものを保てるだけの人口集積があるけれど、地方都市はなかなか厳しいものがあります。
姫路でも、昔ながらの商店街は、姫路駅北側の商店街を除き、事実上機能停止してしまいました。
(ただしこれは人口集積というより、東京等では鉄道依存社会から自動車依存社会への移行が行われなかったのに対し、姫路などの地方都市では自動車依存社会になり、郊外であらゆる日常品が調達できるようになったことのほうが大きい)

地方都市がみんな画一化してしまえば、生活上は全てが揃い、何の不便もありませんが、その都市を好んで訪れることはなくなってしまいます。
それでも「姫路」が存在する理由があるとすれば、それは姫路にしかないものがあるかないかにかかってきます。

姫路にはこれまで、姫路城しかないという定説がありました。超絶美人が1人いれば、その隣に美人がいても気づきませんが、化粧直しをしている最中の今なら、冷静に周囲にも目が向きます。
平成の大修理がチャンスを与えてくれている気がします。

姫路には溜め込むだけ溜め込んで放置されているところが多くあります。産業遺産を発掘したり、モノレールを引っ張り出したり少しずつはやっていますが、今後ともやるべきことは、再発見し、再評価する。その繰り返ししかありません

参考
A級グランプリ播磨(372log@姫路)
姫路は宝の山(372log@姫路)
  

Posted by miki at 00:00Comments(4)社会