2011年08月21日

道路から空港へ。一般予算を空港整備に使わない愚

シュトゥットガルト空港ドイツ・シュトゥットガルト

朝日の社説に、空港の話題。

格安航空拡大―利用者が主役の空を(asahi.com)
着陸料や航空機燃料税は国の特別会計などを経て空港の建設や維持運営に回る。この硬直的な仕組みが、需要のさほど見込めない空港の建設につながり、自治体管理分も含めて98もの空港が乱立する現状を招いた。
(中略)
道路や港湾に比べ、空港分野への一般会計からの予算配分は手厚くなかった。空港運営の改革に加え、需要の乏しい地方空港の廃止を含む「選択と集中」を進めた上で、利用増が見込める空港の拡張を一般会計予算で支えてもよいのではないか。
朝日の社説を総括すると、「格安航空の台頭を歓迎する。しかし国内は空港に問題が多いので、問題を解決しつつ、空港予算を強化せよ」ということでしょう。

誤解を招きかねない「98もの空港が乱立」という表現の問題はありますが、概ね主張に共感します。日本の格安航空元年の今年は、日本の開国元年になるチャンスでもあります。

P.S.
日本の空港数は、フランス、英国、ドイツなどより少ない。人口あたりで比べて日本より少ないのは、世界でもインド、中国、シンガポールぐらいしかありません。
さらに日本は、大陸から離れた島国のためヨーロッパのように国際鉄道に頼れない上、石垣奄美久米島屋久島など離島空港が多くカウントされているので、実質的には世界で最も貧弱な部類でしょう。朝日もせっかくいいことを言っているのだから、「98もの空港が乱立」などというピントはずれな言い方をするんじゃなくて、もう少し踏み込んで欲しかったですね。

参考
活発化する空港整備。道路から空港へ予算シフトを(372log@姫路) - 日本は一般財源化された豊富な道路予算を、こうした空港整備にもっと大胆に使うべきではないのでしょうか。(ブログより)
空港の整備 vs 道路予算(372log@姫路) - 道路に毎年11兆円もの大金を注ぎ込んでいるのに、3000億円規模(毎年ではなく1回きり)の空港だと大騒ぎと言う日本の世論こそが、真の問題です。(ブログより)
本当に日本に空港が多すぎるのか世界各国と比較してみた(ペンギン航空情報部)
世界の空港 - フランス136、英国124、ドイツ100に対し、日本は92しかありません。(ブログより)
  

Posted by miki at 10:42Comments(0)航空