2011年07月16日

首相の脱原発宣言を支持する異色の面々

KAN-FULL BLOG

菅総理が脱原発宣言。大阪府知事は評価。

「ぐいぐい進んで」橋下知事が菅首相姿勢を評価(スポーツ報知)
大阪府の橋下徹知事は府庁で記者団に「確実に国民の声をくみ取っている。これからが大勝負なので具体図を描いてほしい。今まで誰もこんな大号令は掛けられなかった」と首相の姿勢を評価。
一部野党も評価。

共産・志位氏は首相の脱原発を評価(MSN産経ニュース)
「首相はこれまで日本のエネルギーは原発を含む4本柱でやっていくとしてきた。『原発がなくてもやっていける社会を目指す』と述べたことは前向きな変化だ」と評価した。
メディアも毎日朝日が評価。

社説:「脱原発」表明 目指す方向は評価する(毎日jp)
原発への依存を減らしていくこと、そして現実的にもそうした方向にならざるを得ないことは、私たちもこれまで何度も指摘してきたところだ。その考え方については基本的に支持し、評価したい。
脱原発―政治全体で取り組もう(asahi.com)
菅直人首相がきのう記者会見し、「脱原発」をめざす方針を明確にした。「将来は原発がない社会を実現する」と初めて言い切った。
国策として進めてきた原発を計画的、段階的になくしていくという政策の大転換である。
私たちは13日付の社説特集で、20~30年後をめどに「原発ゼロ社会」をつくろうと呼びかけた。首相は目標年次こそ示さなかったが方向性は同じだ。首相の方針を歓迎し、支持する。
ところが浜岡停止のときもそうでしたが、脱原発を明確にすると、激しく菅首相を攻撃する人たちがいます。

西岡議長、首相を改めて批判「独裁政権のよう」(YOMIURI ONLINE)
首相の「脱原発」発言に関しては、代替エネルギーの確保が難しい現状を指摘し、「『脱原発』という単純なものの言い方を首相が軽々しく口にすべきではない」と批判。そのうえで、「『脱原発』のスローガンに基づく首相の考えによってエネルギー政策が進めば、確実に来年の春には日本の原子力エネルギーは存在しなくなる」と懸念を表明している。
経団連フォーラム、首相を招待せず 脱原発に激怒?(MSN産経ニュース)
経団連の米倉弘昌会長は記者会見などで菅政権の震災復興や脱原発を強めるエネルギー政策に対する批判を繰り返しており、メンバーに加わっている政府の新成長戦略実現会議の出席も連続4回欠席している。
一部の新聞も必死。

菅首相の「脱原発依存」発言は無責任だ(日本経済新聞)
菅直人首相が13日に記者会見し「原子力発電に依存しない社会を目指す。将来は原発のない社会を実現する」と語った。政府・与党で十分な議論をしないまま政策の大転換を口にし、代替エネルギーに関する十分な説明もなかった。国民生活などへの影響の大きさを考えれば、首相の発言は無責任である。
脱原発宣言 看板だけ掲げるのは無責任だ(7月14日付・読売社説)(YOMIURI ONLINE)
首相には、福島第一原発の事故に伴う国民の不安に乗じ、脱原発を唱えることで、政権延命を図る思惑もあったのではないか。場当たり的言動が、多くの混乱を引き起こしている。
大変だ混乱だと騒いでいるのはマスコミ自身なのですが。
ネット上で菅首相を常に批判し続けている植草一秀氏も、菅首相の脱原発方針は評価しています。

原発利権複合体が嫌悪する脱原発世論の拡大(植草一秀の『知られざる真実』)
マスゴミが菅直人氏の「脱原発宣言」に対して、批判的な伝え方を示しているのは、マスゴミ自身が原子力利権複合体の一角を占めているからである。
利権複合体は、福島原発事故を踏み越えて、なし崩し的に原発推進に、世の中の駒を進めようとしているから、ストレステストも「脱原発宣言」も邪魔者でしかない。
ジャーナリストの上杉隆氏は、首相の脱原発宣言で、ことが単純に進むわけではないと言います。

菅首相“豹変”の陰に「ある人物」の存在(週刊 上杉隆)
自民民主の族議員、また「族」でなくとも、電事連電力総連などに選挙で世話になっている多くの国会議員、あるいはまた原子力に依存している産業界、そしてなんと言っても原子力政策推進の旗振り役であるマスコミなどのアンシャンレジーム(旧体制)が、自らの利権構造をつぶそうとするこのひとりの首相を放ってはおかないはずだ。
(中略)
原発推進新聞のひとつ日本経済新聞は、会見の翌日(7月14日)の朝刊で、菅批判の見出しを次々と打った。

〈場当たり政策で国は衰退〉(一面論説)
〈首相会見、具体策言及なし〉(一面トップ)
〈菅首相の「脱原発依存」発言は無責任だ〉(二面社説)
〈首相延命「8月後」にじます 退陣時期示さず〉(二面)
〈退陣表明後に新政策続々 歴代首相でも異例〉(二面)
〈「脱原発」難問ばかり〉(三面)
〈原発輸出にも逆風〉(三面)

客観中立を標榜しているはずの日本の新聞だが、自分たち、もしくは最大のクライアント(電力会社)の利権が絡むと、こうも見苦しくなってしまうものなのだ。
「菅おろし」という名のお祭りが、国益につながるならいいのですが・・。
次期首相の顔(代案)も見えない、異様な首相おろし騒ぎが、もしかしたら来年まで続くのかと思うとゾッとします。

参考
8月原発解散?(372log@姫路)
6・11脱原発100万人アクションと、自然エネルギー庁構想(372log@姫路)
「脱原発」の首相擁護=福島社民党首(時事ドットコム) - 「(各党は)永田町の論理で唐突だと言っている。唐突に言わなかったら一体いつ(エネルギー政策が)変わるのか」と述べ、首相を擁護した。(記事より)(11.7.17 追記)
  

Posted by miki at 00:00Comments(2)政治