2009年11月17日

JALに厳しい目

ホテル日航姫路姫路市南駅前町

JALは本当に必要なのでしょうか。

JALが事業再生ADR申請、社長は再建道筋付け進退判断へ(ロイター)
財務省が公的資金の注入に難色を示しており、理由としてJALの中期的な成長戦略が不透明な点を挙げているとの指摘に対して、「日本やアジアの国際航空需要は拡大の余地が大きく、当社も成長しやすい環境だ」(西松社長)と説明。国内2社体制についても見直すべきとの声があることに対しては「韓国や中国、台湾も複数航空会社が並立している。全日空と当社の(大手)2社あってこそ切磋琢磨できる」と反論した。
永らくダントツの大手2社体制だったのに、切磋琢磨できなかったから現状があるんじゃないでしょうか。
これまで、JALを諦めたほうがいいんじゃないかと書いてきました。

国防上の理由からも、政府はJALを救済すべきではない(11月1日)
神戸からJALを追い出し、新興航空社の国際便を(9月26日)

大前さんも、手厳しいですね。

大前研一の辛口ニッポン応援談(前編) (5/5)(ITmedia エンタープライズ)
時代はLCC(Low cost career)、マレーシアのエア・アジア航空なんかが圧倒的に強くなっている世界の航空業界において、内側の理由ばかりを言う今のJAL(日本航空)が良い例だ。その建て直しを政府主導でやろう、なんて言っている民主党政権も劇甘だ。国境のない空を飛ぶ飛行機会社に日本の論理を入れ、日本人主体で経営しようとする限り解決策はないよ。利用客にそっぽを向いて自己中の再建策ばかり練るJALは一度倒産させればいいんだ。不便にはなるかもしれないけど、誰も困らないよ。その間、頭冷やして本当にJALが必要なのかどうか、考えたらいいんだ。どうしても不便だとなったら、アジアのLCCを国内便に入れてやることだ。料金が数分の1になることは間違いない。
私は日本人を信じているので、現在のJALを引き継ぐのは困難にしろ、他の日本の航空会社がこれまでJALが飛ばしてきた路線並み、またそれ以上の路線を飛ばす能力があると考えています。
これまで新興の航空会社は、ずいぶんワリを食ってきた印象があります。(参考

外国の航空会社は実力はあるだろうし、参入してもいいと思いますが、たとえ日本の航空会社であっても、発着枠やターミナルの使用など、競争しやすい環境が整えられれば、JALはもっとシェアを食われていたのではないでしょうか。そういう公正な競争が行われて来なかったことが問題です。

静岡では、JALが撤退する路線を新興航空会社が引き継ぐ意向を示しています。

JAL撤退の静岡―福岡線、FDAが引き継ぎへ(YONIURI ONLINE)
静岡空港を拠点に定期便を運航する「フジドリームエアラインズ」(FDA、静岡県牧之原市)は2日、日本航空が2010年度以降の撤退を表明した静岡―福岡線を引き継ぐ意向を明らかにした。
日航の撤退後、間をおかずに就航するとしている。
高コスト体質のJALですら、一度は開設を決めた路線なので、他の中コスト体質の航空会社であれば、路線維持の可能性は大いにあると思います。

JALにはどんどん路線を撤退してもらって、なんとか別の航空会社に頑張ってもらいたい。複数の会社が切磋琢磨することは望ましいですが、大手2社の寡占体制が望ましいとは限りません。
海外航空会社との競争に加え、国内でもより多くの航空会社が育てば、それが一番です。JAL社長が言うように「日本やアジアの国際航空需要は拡大の余地が大きい」からこそ、JAL以外に頑張ってほしいのです。

参考
日本航空:最終赤字1300億円、がけっぷち 年金・収益力、解決見えず(毎日jp)

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Posted by miki at 00:00Comments(0)航空