2009年11月01日

国防上の理由からも、政府はJALを救済すべきではない

トルコ航空

日本航空を国の税金を使って救済するのだそうです。一民間企業を国家が救済することに対し、産経は民事再生法でも再生可能と主張しています。(参考 【主張】日航再建 民事再生法なぜ活用せぬ
私は、日本航空を政府が再生する必要はないし、むしろ再生して欲しくないとすら考えます。

日本とトルコを結ぶ100年越しのある事件(岸田コラム)
「イラン上空を航行するすべての航空機はイラク空軍の攻撃対象となる」、イラク政府のスポークスマンが全世界に発した声明は、あと48時間で実行されることになった。この無差別攻撃が始まれば、もうイランから逃げることができなくなる。その時イランにいた日本人は約300人。イラン脱出のために航空会社のカウンターに人が殺到した。
(中略)
イラン・イラク戦争の真っ只中、イランの首都テヘランでは、毎晩爆撃が続いた。命の危険を感じる日本人はテヘラン市内のホテルに身を寄せ、日本大使館からの救援情報を待っていた。あと数時間でイラクの無差別攻撃が始まる。日本航空は飛んでこないとの一報にイランにいる日本人は絶望の淵に沈んでいた。
その時、信じられない情報が飛び込んできた。
「トルコ航空が飛んでくる」
(中略)
戦火に救援機を飛ばすのは命がけの仕事。いくら政府がトルコ航空に依頼しても断る理由はいくらでもあったはず。ところが、トルコ航空では、すぐさまミーティングが開かれ、特別機への志願者を募った。これに、辣腕の機長はじめ多数のスタッフが名乗りを上げたのだった。
日本航空は日本にとって特別な存在と看做されることは、果たして日本のためになるのか。トルコ航空のパイロット以上に、「日本人のためなら飛んでもいい」というパイロットがいることは期待できます。しかし、反会社側組合の事情で、そうした声が必要以上に抑え込まれてしまうリスクを、日本人は背負っています。

私は、空港であれ国際便であれ、基本的には無国籍の世界の話だと考えます。しかし、非常時や国防を考慮し、日本の航空会社に拘ることには一定の理解はできます。
この観点から考えれば、なおさら日本航空には退場して欲しいと思います。

せっかく経営問題を起こして瀕死の状態なのですから、この際、日本航空以外の日本の航空会社に、日本のフラッグ・キャリアを期待します。

参考
日本航空の組合問題(Wikipedia) - かつてのベトナム戦争における邦人脱出作戦やイラン・イラク戦争における邦人脱出の為のチャーター機の派遣が、労働組合による「安全が確保できない」、「戦争に加担するに等しい」などの理由で実現しなかった(中略)フラッグキャリアがチャーター機を派遣した世界各国からは「日本にフラッグキャリアはないのか」と非難された。(記事より)
エルトゥールル号遭難事件(Wikipedia) - 119年前、トルコの軍艦が和歌山県沖で遭難。これを日本人が救援し、日本-トルコ友好のきっかけとなったとされています。

← 1日1回クリックして頂けるとRankが上がります
  

Posted by miki at 00:00Comments(6)航空