2009年10月15日

伊丹存続という当たり前の選択

航空機需要予測(日本航空機開発協会)

前原国土交通大臣が、伊丹存続という当たり前の選択を明言しました。

伊丹空港は存続=前原国交相(時事ドットコム)
前原誠司国土交通相は14日午前、国交省内で兵庫県伊丹市の藤原保幸市長と会談した。藤原市長は関西3空港(関空、伊丹、神戸)のあり方について、「地域のニーズに合わせた航空政策を実施してほしい」と要請。伊丹空港廃止への懸念を口にする同市長に対し、前原国交相は「(廃止を)心配していただかなくてよい」と応じた。
森田千葉知事との会談からわかった、前原国土交通大臣の頭の中はこうです。(例のパターン・・(笑))

1 国際線の需要は今後ますます伸びる
2 羽田(昼間)アジア便、羽田(深夜早朝)欧米便、成田(昼間)欧米便 と棲み分ける
3 羽田も成田もこれまでより増便する。それでもまだ需要に追いつかない

インフルエンザや世界不況など、短期的には国際便の需要は頭打ちになっていますが、前原大臣の頭には、中長期的には国際線の需要が増えるという前提があります。
ここが、マスメディアや関西の某知事と根本的に異なるところです。

伊丹廃港と言う人の頭の中には、限られたパイを国内の空港で奪い合うという図式が刷り込まれています。だから、関空のために伊丹をなくせというわけです。

読売新聞もそんなことを書いてますね。

羽田空港 ハブ化推進は当然の選択だ(10月14日付・読売社説)
伊丹、神戸両空港と客を奪い合う状況が変わらなければ、債務が減っても立て直しは難しい。伊丹の廃止・大幅縮小も視野に入れ、関西の空港行政を見直すことが支援の大前提となる。
東京の記者が関西を牽制するために書いたのかもしれませんが、近視眼的なピント外れの意見です。
前原さんは大臣就任直後から、観光立国を口にしていますし、鳩山政権は東アジア共同体を口にしています。ブロック経済にでも走らない限り、日本-アジア大陸間の航空需要は、増えざるをえないのです。

航空産業は成長産業。アジアが世界最大の旅行市場に(372log@姫路)
JALの経営不振が報道される中、航空分野の将来性に疑問を持つ人も多いと思いますが、事実は全く逆。航空ほど将来性のある分野はありません。
ボーイング「アジアが世界最大の航空市場に」(インド新聞)
民間航空機部門マーケティング担当バイス・プレジデントのランディ・ティンゼス氏は、「世界の航空旅客市場でアジア地域が占める割合は、現在の32%から20年後の2028年には41%に上昇するだろう。また、アジア市場の成長こそが世界市場の復興をリードするものと期待している」とコメントしている。
つまり、羽田も成田も関空も伊丹も神戸も、拡張できるものは拡張、使えるものは全部使い、空港機能を強化・国際化しないといけません。

そういう方向では、前原大臣は一貫していると感じますね。関空よりも利用者の多い伊丹を縮小したり廃港にするなんて、おおよそ出てこない発想でしょう。読売や某知事にも冷静に考えていただきたいですね。

参考
森田千葉県知事が前原国交相と会談、羽田・成田の一体的運営に理解(ロイター)- 前原国交相は、羽田・成田空港の現在の拡張計画が実現すれば両空港の発着回数は合計で現在の年間50万回から71万回に増えるが、「需要は2030年に年94万回まで増え首都圏空港の容量不足が続く」との予測を示し、羽田・成田ともに国際線の需要拡大の恩恵を受けると強調した。(記事より)
前原国交相、福岡空港の滑走路増設に「お墨付き」(asahi.com) - 前原誠司国土交通相は14日、福岡県麻生渡知事と会談し、福岡空港の滑走路の増設を進める考えを示した。(中略)福岡空港については那覇空港とともに「能力をアップしなければいけないことはよくわかっている」との認識を示し、「今までの方向で進めていこう」と述べたという。(記事より) ← 空港について、使えるものは全部使う・強化するというのは当然です。
空港が足りない(372log@姫路)

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Posted by miki at 00:00Comments(6)航空