2009年05月31日

工業振興だけでは地域経済は支えられない



姫路市には図書館が15もあって、超便利なんですよね。

しかも、希望する本があるかどうかが自宅のパソコンで検索できて、その本がどこにあろうとも近所の図書館まで取り寄せてもらえます。

ちょっと見てみたい本があったので、手柄の図書館まで取り寄せて借りました。

藻谷浩介著「実測!ニッポンの地域力」(日本経済新聞社)2007.9(書籍の帯より)
地域間格差なんてない! 最強の地域エコノミストが「デタラメ」を切る
「日本の子供の数は減っていない」「小売販売額が増えているのは沖縄県だけ」「工業の活性化は地域振興に結びつかない」-。平成合併前の3200市町村の99%を訪れた経験にもとづいて明らかにする負けない地域のつくり方!
この中で、著者は「日本のモノづくりの国際競争力は高まっている」「貿易黒字の水準は下がっていない」としています。

しかし、「地域のモノづくりが元気なら地域経済も元気になるはず」というのは思いこみで、「製造業の活況と地域の活況は無関係」と言いきっています。
そもそも絶頂期の名古屋豊田ですら製造業就業者は減っていたとのこと。「工場立地→雇用増加→人口増加」という方程式は、現代日本では成り立っていないと述べています。

また、化学や鉄鋼など素材産業型は付加価値が高いが、自動車や電機などの組立加工型は付加価値が低いとも。日本は米韓中英独に対して貿易黒字なのに、仏伊に対しては貿易赤字。ハイテク商品より、高級品・ブランド品の付加価値力や、工業品に限らずブランド農産物等の認識も必要。対中貿易が黒字なのも日本製品が高級品として売れている面が大きい・・等々。

興味のあるかたはご一読を。Amazonのレビューでは3人全員が最高点(☆5つ)でした。私は・・、☆4つにしておきます。
なお、姫路市の図書館には蔵書が3冊ありますが、現在1冊は貸出中で私の手元にあります。

参考
人が歩かない、お金持ちの豊田市(372log@姫路)
名古屋の雇用が減る理由(372log@姫路) - 姫路講演の話題。

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Posted by miki at 00:31Comments(0)社会