2008年11月16日

ふざけるな。燃油サーチャージは即刻撤廃せよ



燃料高騰で、緊急避難だと言われて導入された航空会社の燃油サーチャージが、原油価格が暴落して久しいのに今だに大手を振ってまかり通っています。

サーチャージでもうけたのは誰だ?(NIKKEI NET)
<航空アナリストの杉浦一機氏>原油価格が高騰したのを受けて導入された「燃油特別付加運賃」(燃油サーチャージ)の運用には、不透明なものを感じる。有り体に言えば、日本系エアラインの場合、燃油サーチャージが利益の源泉となっているように見える。燃油サーチャージは緊急避難の手だてのはずだったのに、エアラインは制度を「悪用」して、もうけを出しているようだ。
日本航空が発表した2008年4~6月期連結決算は、営業損益が39億円の黒字に転じた。
(中略)
運賃値上げと燃油サーチャージを同時期に引き上げたのは、私には「ダブル値上げ」としか見えない。ANAも同期連結決算は、営業利益が前年同期比10%増の146億円の黒字だった。
日本系エアラインは、緊急避難の制度を悪用して、儲けているようなのです。

国際線サーチャージ 値下げへ(NHKニュース)
日本航空と全日空は、原油価格が下落していることから燃料代に応じて加算している「燃油サーチャージ」と呼ばれる国際線の特別運賃を1年8か月ぶりに来年1月から最大で片道1万円余り値下げする方針を固めました。
日系エアラインは日本-北米間で片道33000円(往復66000円)もの燃油サーチャージを徴収しており、仮にこれが1万円値下げされても、まだ片道23000円(往復46000円)もの燃油サーチャージを払わなければいけません。原油価格の暴落やガソリン価格の急落を目の当たりにしていて、かつ航空会社は利益を上げているのに、未だに「緊急避難」の制度を続けようというのは、顧客を舐めている証拠です。

「緊急」と言って必要な道路を整備するために一時的に造った道路公団を永続組織にすげ換えたり、「暫定」と言って取り始めた税金を自動継続にして決して止めないなどといったことは日本は得意なので、燃油サーチャージも上手いこと言って止める気が無いのかもしれません。

こうなっては、益々日系エアラインの利用を避けるしかありません。海外エアラインの中には先日、燃油サーチャージ廃止を発表し、即日実施したところもあります。対応が早い!

エアアジア、燃油サーチャージ廃止を発表  来年50万席の無料放出も実施(マレーシアナビ)
格安航空会社のエアアジアは11日、昨今の原油価格下落を受け、同日付ですべての便(長距離航空エアアジアX含む)において燃油サーチャージを廃止すると発表した。
また、元々日系エアラインは燃油サーチャージが高いという指摘もあります。

[社説] 燃油サーチャージ いつまで続けるのか(中日新聞)
新しい付加運賃は欧米路線が二万二千円、シンガポールは一万二千五百円、中国で六千円、韓国は二千五百円程度と全体的に30%以上の引き下げとなる見込みだ。
それは結構だがまだ高い。競争相手であるシンガポール航空ルフトハンザ航空などのサーチャージはいまも日本二社より二万-一万円も安い。
前出の航空アナリスト・杉浦一機氏も日系エアラインの燃油サーチャージは世界最高レベルだと言います。
競争相手から見れば、日系エアラインの呑気な対応で、一気にシェアを奪いたいところでしょう。残念ながら、たとえ同じ日本人であっても、ふざけた対応の日系エアラインを応援する気にはなれません。

参考
エアアジアCEO、「12年までに日本航空を追い抜く」(372log@姫路)

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Posted by miki at 00:00Comments(2)航空