2008年10月08日

航空機小型化へ準備着々。羽田拡張前夜

エンブラエルERJ-170LR

日本航空が小型機を10機導入します。

ブラジル・エンブラエルの日航向け1号機、完成で引き渡し(NIKKEI NET)
ブラジルの航空機メーカー、エンブラエルのジェット旅客機「エンブラエル170」(76席)の日本航空向け1号機が完成し、サンパウロ州の本社工場で引き渡し式典が開かれた。日航は2010年までに10機を導入する。小ぶりで低燃費という特長を生かし、既存機種では採算が厳しかった地方路線などに活用する。
(中略)
日航の西松遥社長は「10年の羽田拡張で小型機を活用した路線網の維持が可能になる」と指摘。保有機の小型化を進め、増便による利便性向上に取り組む考えも示した。
例えば東京と地方空港間に、同じ座席数なら大型機を1往復飛ばすより小型機を3往復飛ばす方が、利用者は多くなります。これは以前から解っていたことですが、これまでは止むを得ず大きな飛行機を飛ばしていたのです。
理由は、東京の空港があまりにも貧弱だったため。便数を増やしたくても増やすことが出来ませんでした。つまり、地方空港は、これまで多くの機会を逃していたわけです。それでも何とかこれまでやってきたのは、実は相当な潜在力があるのではないかと思います。
羽田が拡張されるとこの点、幾分か緩和されることになります。日本航空社長の言葉の意味には、大きなものがあります。

中部国際空港が出来ても地元は頑張って名古屋空港(小牧)を残したし、広島空港ができても地元は広島西飛行場を残しました。近畿では伊丹も残したし、神戸空港も造りました。こうした地方空港を、小型機時代到来でどう活かしていくのかがそれぞれの地域で問われています。
決して日本航空や全日空だけの問題ではありません。この大手2社とて、いつまで存在するかもわからない単なる民間企業です。国土交通省の問題でもない。これまでさんざん寝ぼけていた彼らに期待してはいけません。それぞれの地域の問題なんだと思います。

小型機時代到来で、どんなことができるのか、どんな活用方法があるのか考えていきたいですね。

参考
小型機全国で増加(372log@姫路)
小型航空機の時代(372log@姫路)
「航空自由化の進展と空港大改革」 - 自由化になれば、不採算路線は大手から切り捨てられます。アメリカでも同様なことが始まりまして、最初の段階で規模の小さな市場は切り捨てられたのです。ところが、安いコストで運航できる新しい会社が、雨後の竹の子のように出来て、そのスキ間をどんどん埋めて行きました。つまり、大手と小さな会社がジョイントする形でネットワークが形成されているのです。ですから日本も、今しばらくは不採算路線が大手から切り捨てになると思いますが、片や先程申し上げた新しい航空会社などが、そういうところを埋めて行くことによって、勢力地図が相当変わって来ると思います。(記事より) ← いま大手2社が地方空港路線を見直していますが、過去には同じことが航空自由化先進国のアメリカでも起きたのですね。つまり、日本もいよいよ航空自由化が本格的に到来してきたということで、地方空港は終わるんじゃなくて、今からがスタートなんです。
空港の活用を考えよう(372log@姫路)

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Posted by miki at 00:00Comments(0)航空