2008年05月23日

全国に広がる自治体職員のカイゼン活動

姫路市役所姫路市安田

自動車製造業最大手のトヨタが、カイゼン活動を業務と認め、残業代を全額支払うことを決めました。

トヨタ、「カイゼン」に残業代 業務と認定、来月から(asahi.com)
トヨタ自動車は21日、生産現場の従業員が勤務時間外にグループで取り組む「カイゼン」活動について、残業代を全額支払うことを決めた。月2時間までとする残業代の上限を撤廃する。「自主的な活動」としてきたカイゼン活動を「業務」と認定する。
(中略)
トヨタが「業務」と位置づけるのは、生産現場の従業員がグループ単位で改善提案に取り組むQCサークル活動。従業員のアイデアや知恵を引き出す「カイゼン」活動を支える中心的な取り組みで、64年から半世紀近く続いている。
こうしたカイゼン活動は、製造業を中心として他の業界にも広まりを見せています。最近では自治体にも。

第58回 福岡市発、全国に広がる自治体職員のTQC運動(ITPro)
どの会社も役員レベルの戦略は不備でも現場は改善活動にしっかり取り組んでいた。戦後間もないときから生産性本部や能率協会が普及させてきたTQC(トータル・クオリティ・コントロール)運動のおかげだった。米国生まれのこの運動が日本企業の発展に与えた影響は計り知れない。今ではTQCは中小企業にも広く普及し、多くの企業が「日々是改善」の掛け声のもと、現場発の改革に取り組んでいる。
役所で始まったのは2000年頃から。姫路市でも取り組んでいます。

「カイゼン」職員が知恵(YOMIURI ONLINE)
取り組みは2001年度からスタートし、04年度からは市幹部らでつくる委員会が内容を審査。最優秀賞から参加賞まで六つの賞を用意、提案した職員らに記念の図書カード(最高5万円分)を贈るニンジン作戦を展開して、アイデアを引き出している。
これまでに最優秀賞を獲得したのは、国道沿線の事業所にクリーン作戦参加を呼びかけた下水道管理センター(06年度)と、ごみ焼却場の運営に公設民営方式を導入した環境事業推進室(同)。歩道にたまった雨水を埋設パイプで排水する道路整備改善課の工法(04年度)は、特許取得にもつながった。昨年度までの「カイゼン」は計707件。
現場のカイゼン活動が、きめ細やかな行政サービスや効率化、そして何より職員のモチベーションの向上につながればと思います。

とは言え、姫路市に何より期待されるのは、優れた戦略とその実行能力。「カイゼン」と、「改革」は全く異なったアプローチが必要と思います。

参考
QCサークルについて(生産管理講座) - 成熟化した事業や、事業の高度化にはQC活動とQCサークルはほとんど役にたたない。それらの事業では、事業の全体の観点から、それぞれの業務を考えることが重要になる。各部門が勝手に改善を考えても、全社的な改善や収支の改善に結びつくことはほとんどない。ただQCサークルは、未成熟の事業あるいは、始めたばかりで不案内の事業においては、一定の効果を発揮するであろう。(記事より) ← 現場の改善だけでは、組織全体の業務の高度化は実現できません。

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Posted by miki at 00:00Comments(0)社会