2007年05月02日

公共交通先進国イタリア。後進国ニッポン

バスの停留所にある電光掲示板(ローマ・ナツィオナーレ通り)

ヨーロッパの公共交通にはいつも感心させられますが、イタリアも例外ではありません。

イタリアというと、ヨーロッパの中でもラテン系で適当なイメージがありますが、列車は分刻みで正確だし品質も一流。日本の鉄道の比ではありません。
イタリアにはユーロスター・イタリアという高速列車が走っているのですが、最高速度250~300キロで走るというのに乗り心地もスムーズで極めて快適です。
それに何より室内のデザインが素晴らしい。フェラーリも手がけたピニンファリーナのデザインというから当たり前ですが。

一方、遺跡が多くて地下鉄が少ないローマ市民の足となるのは、路面電車とバスです。路面電車だけでなくバスも連接タイプのものがたくさん走っている一方で、環境にやさしい小型の電気バスもたくさん走っています。
びっくりしたのは、停留所の電光掲示板。次に来るのは何系統の何行きで、何分後に来るというのが次々と表示されていました。東京では見たことがあったのですが、姫路にはありません。それに東京のものよりローマのほうが見やすい。

ドイツで見たゾーン運賃(一定範囲では乗り降り自由の一定料金)ではなく、ローマでは時間制。1ユーロ払えば75分間はバスでも路面電車でも乗り降り自由です。

日本でも、ICカードごときで騒いでないで、もっと本質的なしくみに取り組んで、公共交通を利用しやすくする必要があるのではないでしょうか。
姫路でも神姫バス市営バスが駅周辺で100円区間を設けるなど共同でやってますが、ここにきて、神姫バスがICカードで乗り継ぎ割り引きなんかをやり始めたのに市営バスは不参加など、どことなく足を引っ張っり始めている気がします。

市営バスは独立採算制を盾に路線の縮小にしか興味がないようですが、もっと公共交通を真面目に考える部署になって欲しいと思います。

P.S.
また観光の毎日(田村麻子のオペラな人生)より
僕らの国には、ヨーロッパから出た事がないばかりでなく、イタリアからすら出たことのない人がほとんどで、そういう人に限って、イタリアの食べ物が一番おいしくて、イタリア人が世界で一番素晴らしいと思っているんだ。でもそういう事は、他の国を見て廻ってから言うべきだよね。

公共交通はローマのほうが上ですが、食べ物は姫路のほうが上。姫路ではイタリアの食べ物はもちろん、中華だってフランス料理だって日本料理だって食べることができます。イタリア料理だけを毎日食べ続けることなど、贅沢な日本人には無理でしょう。

参考
賢いバス停(ひめナビブログ)
ローマ電気バス 119号線 路線図(travelplatz ヨーロッパ地図)
これからのバス交通を考える - 今、国際社会の中で、特に都市を中心として公共交通の見直しという動きが非常に活発に展開されています。その中でのバスということもいろいろなことが問われています。ですから、バスというものの可能性をどこまで高められるのか、機能を発揮していない理由はどこにあるのか、そういう研究が非常に進められています。そして、欧米、ヨーロッパとアメリカという申し上げ方をしますけれども、そこにアジアの諸国、例えばシンガポールであるとか香港であるとか、そういった国はみんな参加して、あるいはそこに見にいって、そういう場所を訪ねて、そこでの情報とか技術を共有していると思います。そういう動きを日本と照らし合わせてみると、日本は公共交通後進国じゃないかということを考えるときがあります。(記事より)

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Posted by miki at 00:00Comments(3)交通