2006年11月26日

「いざなぎ超え」でも賃金が増えない理由

 山陽百貨店姫路市南町

景気「いざなぎ」超え “息切れ”消費に懸念も(Sankei Web)
平成14年2月から始まった現在の景気回復が、戦後最長の「いざなぎ景気」(昭和40年11月〜45年7月)を超え、58カ月連続となった。

現在は、戦後最長の景気。一方で、実感が沸かないという声もあります。賃金が上がらないからです。

「リストラ景気」とも言われる現在の景気の意味は、「人口が減少する中での成長」「縮小時代の成長」。生産年齢人口が減少に転じてすでに10年になる日本で、必要な人材を必要な時に得られなければ企業は海外に流れます。しかし日本の企業は海外に出るどころか逆に国内回帰です。相対的に高賃金と言われてきた日本でも、安価で質の良い労働力が増加しているからです。

非正規雇用者の増加が問題視されてきましたが、やや状況も変わってきたようです。

ワールド、パートら5000人を正社員化 人材獲得に“先手”(イザ!)
アパレル大手のワールドは21日、販売子会社「ワールドストアパートナーズ
」で働いていたアルバイトやパート従業員約6000人のうち約5000人を今年4月1日付で正社員として採用したことを明らかにした。

トヨタ系部品会社、請負労働者3分の1を正社員に(asahi.com)
キヤノン松下プラズマディスプレイ
が数百人規模の正社員化を表明。コスト削減を優先し、正社員の雇用を避けていた製造業が、請負労働者を直接雇用する流れが徐々に広がっている。
【特集】「リストラ景気」で復活した日本経済(上)(朝鮮日報)
「以前は非正規雇用者を多く雇えば“堅実”といわれたが、最近は“問題がある”に変わった」と日本企業の雰囲気を語った。トヨタ自動車広報部に問い合わせると、「今年は非正規雇用者900人を正社員にする」とのことだった。去年は948人を正社員として再雇用したという。

非正規雇用から正規雇用の流れで雇用は安定するものの、賃金が極端に上がるわけではありません。日本の企業が、労働力が潤沢と言えない国内に目を向け始めた理由が、「質が高い割りに低賃金」が動機であり、そのバランスが崩れれば再び景気は悪化するからです。

【特集】「リストラ景気」で復活した日本経済(下)(朝鮮日報)
日本はもはや高賃金でも高物価でもなく、また停滞した経済、閉鎖的な経済でもない。
(中略)
日本経済は、変わった。

記事の中で、「適温経済」という言葉が出てきますが、派手な好景気がない代わりに案外、底堅い景気の状態が続くかもしれません。
もっとも、ジュリアナ東京もできなかったし、極端な土地の高騰もなかった姫路は、昔も今も適温経済のような気がします。

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Posted by miki at 10:38Comments(0)社会