2006年03月03日

消費税もビックリ!PiTaPaの利用率

神戸市と関連団体等が発行する KOBE PiTaPa

交通系ICカード・JR東日本Suica(スイカ)カードの利用率が45%となり、ICカード型電子マネーが本格普及に入りました。関西でも「タッチしてイコカ」でおなじみ、JR西日本ICOCA(イコカ)カードが213万枚を突破と好調。関東ではまだ導入されていない私鉄では関西がリード、開始以来1年半も経っているので、さぞかし普及しているかと思いきや、その利用率はなんと!
たったの3.8%

JR東日本や西日本に限らず、長崎でも利用率は65%松山でも高松でも、開始から数ヶ月で予想を大幅に上回る利用状況になっています。

下記に、関西私鉄のICカード・PiTaPa(ピタパ)を主導してきた阪急電鉄の戦略が記載されています。

多機能ICカード導入(IT Pro)
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関西圏の鉄道各社の共通乗車券機能を中心に電子マネーやポイントカード、キャッシング、クレジットカードの機能を随時追加する。利便性が高い共通乗車券は常時携帯してもらえる可能性が高い。これに独自機能を盛り込み、グループの各種サービスの利用を促す。
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いわゆる囲い込み戦略というやつです。私がPiTaPaカードに拒否感を抱くのは、この露骨な囲い込み戦略に対するものでしょう。

顧客「囲い込み」って何?(All About)
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ユーザーは企業の思惑とは逆に、囲い込まれたくないと思っており販促のメール等についてほとんど迷惑と感じている、企業が考えているほど顧客は企業との距離を縮めたいと願ってはいないといった点で、「囲い込み」という言葉に対して欺瞞が感じられるというものだ。
(中略)
価値観が多様化し変化の激しい時代に「囲い込む」という策自体が時代錯誤なのかもしれない。
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一世代前のマーケティング手法を使い、結果としてPiTaPaは、全国でも稀に見る交通系ICカードの失敗プロジェクトとなりつつあります。神姫バス(姫路市)は独自カードのNiCoPaに逃げましたが、神戸市、神戸市交通局、神戸高速鉄道(神戸市の第3セクター)、神戸新交通(同)といった神戸市関連の団体が、民間(北神急行電鉄山陽電鉄)を巻き込んで「KOBE PiTaPa」というクレジットカード付きIC乗車券を発行しました。発行枚数は6000枚で、ごく僅か。(伊予鉄道は発行5ヶ月で6万枚。)

このまま夏に山陽電鉄での利用が始まれば、交付率0.5%の住基カードと、「使われないICカード」の再下位争いをすることになるでしょう。

P.S.
山陽電鉄でも開始と同時にJR駅で買えるICOCA(イコカ)カードが使えます。

参考
[移動体通信]顧客囲い込み戦略のリスク(World is NET)
なぜ人はパスポートを持ち歩かないか(372log@姫路) - クレジットカード番号を混雑する駅で人目に晒すのも欠点。
Pitapa(なんてことはないブログ)
下手にクレジットカードがついているので扱いが面倒な様子がわかります。
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クレジットカード機能もついているので、定期入れに入れるのはどうかなぁと思い、今は財布に入れています。
ただ、財布にしまってしまうとさっくりと取り出すことができないんで、
改札を通るたびに財布を出すのはどうかなぁと思いますよね・・・
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モバイルスイカが不調(思考維持装置) - JR東日本のモバイルSUICAも不調。これも囲い込み戦略の典型。

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Posted by miki at 02:13Comments(0)交通