2008年05月24日

トヨタが世界一になった理由



世界一の自動車メーカーは、日本のトヨタです。

07年トヨタ、生産世界一 正式判明、GMに21万台差(中日新聞)
米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)は2日(日本時間)、2007年のグループ年間世界生産台数が前年比1・1%増の928万5000台だったと発表した。トヨタ自動車が既に発表した世界生産台数はグループのダイハツ工業日野自動車を含め、5・3%増の949万7754台。トヨタはGMに約21万台差をつけ、初めて生産の世界一に立ったことが正式に判明した。
トヨタはなんで世界一になれたのか。月に2時間しか残業代を出さなくても熱心に活動してくれる「カイゼン」の成果か?ハイブリッドカーを世界一素早く開発してしまう技術力か?
どれも1つの要因ではありますが、一番大きな理由は、「世界の自動車メーカーで、トヨタの営業マンが一番たくさんクルマを売ったから」ということにつきます。

民間のカイゼン活動を参考に、自治体がカイゼンに取り組むのと同じく、自治体の営業活動が盛んです。宮崎県知事は国内で有名ですが、国境を越えたグローバルな営業マン知事の1人が、青森県三村知事です。
新潮社で編集の仕事をされていたこともあるという三村知事は、青森県のトップセールスに熱心。

青森県を売って売って売りまくる──。(NBonline)
もうね、5年前は国内線も国際線もいまいち元気がなくて。せっかくヨン様(ペ・ヨンジュン)が元気な時なのに「ソウル―青森」路線の元気がない。でね、韓国の観光公社や旅行会社があるでしょう。そういう会社に乗り込んで、青森県と戦略チームを作ったわけよ。
(中略)
どうやったら青森県を応援してもらえるかを含め、いろいろ議論しました。そしたら、韓国の観光公社の社長からこう言われた。「青森は良いコンテンツを持っているのに、お前らは何をしているんだ」と。
知事自ら韓国など海外に出かけていって、彼らが日本の、そして青森のどこに魅力を感じるかを探しているんですね。青森で考えた規格型商品を売りに行く、押し売りではなく、開拓営業です。

大事なことは、青森の良さなんて青森に居る人にはわからない。韓国人が感じる良さも中国人が感じるよさも皆違う。そういうものを共に開発していこうとしています。

こういった航空戦略はね、実は青森県が進める販売戦略の一環なんです。青森県には総合販売戦略課という組織があって、何でも売って歩いている。公務員だけど、営業マンということです。
地方空港を拠点に、海外と共同で地元の商品を開拓し、それを総合的にブランドとして中国やドバイなど海外に展開する。
そこには、東京を経由するという発想がありません。かくして青森にとってのハブ空港は、成田ではなく韓国の仁川空港なのです。「羽田空港に行っても、JR上野駅に行っても、青森から成田空港まではものすごく時間がかかる。でも青森空港であれば、40分ほどで着いてしまう。ものすごく便利でしょう。」

トヨタが世界一になるには世界一熱心な営業マンが必要でした。自治体だって熱心な営業マンが必要なのは明らかです。

P.S.
「青森は良いコンテンツを持っているのに、お前らは何をしているんだ」というのを、「姫路は~」に置き換えたいところですね。

参考
姫路は宝の山(ひめナビブログ)
全国に広がる自治体職員のカイゼン活動(ひめナビブログ)
大阪のセールスマンに。橋下府知事、本日初登庁(ひめナビブログ)
成田一極集中からの決別。人気世界一は韓国・仁川空港(ひめナビブログ)

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Posted by miki at 00:49│Comments(0)社会
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