2013年01月22日

「構造的脱出志向」から「積極的地元志向」への転換


引用元:冨江英俊「高校生の進路選択における『地元志向』の分析」
(東京大学大学院教育学研究科紀要)


大学入試センター試験も終わり、大学入試真っ盛り。最近は、「国公立大志向」「地元志向」の傾向が強いそうです。

ノーベル賞も後押し? 強まる「理高文低」(MSN産経ニュース)
大手予備校によると、家庭の経済状況を反映した国公立大志向や地元志向は平成20年のリーマンショック以降の傾向で、今年も続いている。ベネッセコーポレーション高等教育研究所大学進学アナリストの榊原広幸氏は「東北なら東北、九州なら九州といった形で、首都圏などを志望しない傾向がある」と話す。
あらゆる学問分野の大学が地元に揃う地域は、多くありません。
そのため、非大都市圏では、進路選択時に学業成績とは別に、「地元志向」という選択軸が存在します。

冨江英俊「高校生の進路選択における「地元志向」の分析」(東京大学大学院教育学研究科紀要)
進路選択において学業成績による選抜とは別の、独自の性格を持った地域についての軸の存在がはっきりした。これは高等教育機関(または中等後教育機関)が豊富にある大都市圏では見られない、非大都市圏に特有の軸なのである。
この論文では、希望すれば(大都市に集中している)大学への進学が可能なのに、自分の意志で地元にとどまる「積極的地元志向」の高校生は、長男・長女に多いとしています。

高校での成績下位者は大学に行けない(※)ので就職することになりますが、高校推薦による就職は必然的に地元就職になる、つまり「構造的地元志向」だとします。
※ 最近は全入時代だから行こうと思えば行くことができるかもしれませんが

逆に言えば、高校で成績上位者だったものは「構造的脱出志向」。つまり、「とくに意識をしなければ地元を志向しない」人になってしまいます。
積極的に脱出するのは大いに結構だと思いますが、(無意識のうちに)構造的に脱出してしまうのは、地元としてはちょっともったいない気がします。

地元志向は高まるが… File(26)
Uターン(2) 外に出てわかる幸せ 西野淑美(東洋大講師)
(福井新聞)
高校卒業後すぐに就職した人。多くが県内にいる。特にこの20年間、県外就職は大きく減った。高校卒業直後に就職で県外に出る人は、今やほとんどいない。
続いて県外に進学した人。回答者の半分強は、大学卒業後すぐにUターンして、県内で就職している。そのほとんどは、今も県内に住んでいる。一方、卒業後に県外で最初の就職をした人は、その後、約3分の1しか福井に戻っていない。このように高校後の進路と最初の就職地で、その後にどこで暮らすかというパターンが、かなり固まってくる。
どこの大学に進もうとも、卒業後、最初の就職地がその後にどこで暮らすかの重要な分岐点になるようで、大学卒業後であっても、「積極的地元志向」への転換を期待してしまいます。

参考
広まる就職支援協定。都会の大学と地方自治体(372log@姫路)
早慶にも焦り? 地方で合同入試説明会(372log@姫路)
東京衰退の予感(372log@姫路)

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