2011年01月13日

ジャストシステムがMS-Office互換ソフト市場に進出

一太郎2011創(ジャストシステム)

20年程前、パソコン黎明期のユーザーならお世話になったかたも多いと思われる日本語ワープロソフト「一太郎」。
Windows初期のころは、一太郎派 vs ワード派と日本語ワープロソフト市場を二分していた実力派ですが、現在では巧みなマイクロソフト商法の前に(特に民間では)圧倒されています。現在では表計算ソフトのエクセル等も含めたMS-Officeが広く使われています。

メーカーのジャストシステムは、ここにきてついにMS-Office互換ソフトに乗り出すことになりました。

MS-Office互換ソフトというのは、MS-Officeに含まれるワード(doc等)、エクセル(xls等)、パワーポイント(ppt等)のファイルをそのまま読み書きできるソフト。一部の互換ソフトでは、単に読み書きできるだけでなく、編集中の画面までMS-Officeに酷似させ、機能、メニューの並びやアイコンの形も限りなく近づけたそっくりさんまで登場しています。

このように、操作感を近づけることは、乗り換えやMS-Officeとの併用に伴う操作教育コストの削減につながるようです。

ジャストシステム、法人向けのOffice互換ソフト新製品を今夏発売--MS製品の半額程度で(ZDNet Japan)
同社では、従来からワープロソフト「一太郎シリーズ」や表計算ソフト「三四郎」などにおいて、MS Officeとの文書互換性を高める実装を行ってきたが、現在開発中の製品は、ゼロから新たに設計を行うことで、文書、機能、ユーザーインターフェース(UI)面でのより高い互換性の確保を目指す。互換のターゲットとしては、Office 2003を想定しており、Office 2007以降のファイル形式やUIの変更に伴って想定される移行コストからバージョンアップをためらっている企業ユーザーを取り込みたい考えだ。
マイクロソフトのMS-Office2003は現在でも企業などを中心に幅広く使われていますが、2014年に延長サポートが終了するため、安全上、使い続けることが困難になります。

この際、MS-Office2007,2010などの後継バージョンに移行した場合、操作方法ががらりと変わり、新たな操作教育コストが発生するため、移行をためらう企業もある模様。

そこでジャストシステムは、使い慣れたMS-Office2003の操作感を残したままサポートが継続される新ソフトを開発しているということです。

これとほとんど同じ発想で開発されたのが、中国メーカーKingsoftが開発したKingsoft Office。このソフト、MS-Office2003と見分けがつかないほどそっくりですが、メーカーは、日本で一太郎がシェアをとっていたのと同じように、中国国内で大きなシェアをとっていたこともある老舗企業だそうです。

私はKingsoft Office 2010の30日体験版を使用していますが、老舗メーカーだけあって、非常に作りのしっかりしたソフトです。MS-Officeほど過去としがらみがないからか、やや機能を絞っているからなのか、それとも技術が優れているのかわかりませんが、MS-Office2003並みに安定し、2003よりもサクサク動く気がします。

日本人としては、同じく老舗ソフトのジャストシステムもやればいいのに思っていたところ、案の上開発しているとのニュースが飛び込んできたというわけです。

企業ユーザー狙いということであれば、エクセルでどれほどマクロ機能がカバーできるのかとか、そういうところもポイントになりますが、KingsoftOfficeの日本版と割り切ってしまうのも手かもしれません。

参考
ジャスト、MS-Office互換ソフトを開発し夏にリリース - 価格は半分を想定(マイコミジャーナル)
ジャストシステム、「ワード」「エクセル」との互換ソフト(日本経済新聞社)
マイクロソフトからオープンオフィスに切り替える山形県(372log@姫路)
キングソフトに聞く(1)~中国発のOffice互換ソフトの評判と日本投入の狙い(日経トレンディ) - 中国では、MS-DOS時代までキングソフトがオフィスソフト市場を独占していました。もともと追われる立場だったわけです。90年代に入ってからマイクロソフトOfficeが台頭し、シェアは逆転しました。(記事より) ← 中国版ジャストシステム ≒ キングソフト みたいです。


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Posted by miki at 00:00│Comments(0)IT
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