2006年02月05日

2つの改革

講演する石見利勝姫路市長まねき食品

昨日、まねき食品(姫路市)で立命館大学京都市)のOB会があり、大学と姫路市の2つの改革の話を聴きました。

大学の改革

近年、少子化の影響で大学全入時代が始まろうとしています。18歳人口の減少は18年前からわかっていたこと(※1)であり、立命館大学は10数年前から諸改革を他大学に先駆けて行い(紹介例)、週刊誌でも最も強い大学とされています。研究者を多く抱え、議論百出で物事が進まない大学が多い中、いったん決めたら教職員一体となって突進するスタイルです。
学生はむしろお客さんとして、「改革を邪魔しなければ吉」という存在だったのではないかと思います。

※1 少子化対策を理由に出産費用を無料にし、それが有効だとしても効果が現れるのは大学受験までに18年以上かかります。逆に言えば、現在の全入時代は18年前から確定していました。

姫路市の改革

石見利勝姫路市長の前職が立命館大学であることから、市長も出席され姫路市政について講演がありました。「姫路を変えよう」をスローガンに当選した姫路市の石見市政はどうなのでしょうか。

石見利勝市長の父親は、石見元秀元姫路市長。石見元秀氏は、戦後復興期に都市間競争の激化を予測し、大手前通り市営モノレール・市営バスなどの交通インフラ整備に注力、1966年には地方博覧会の走りである「姫路博覧会」を開催し知名度アップを図ったワンマン市長。
姫路偉人列伝によると、神戸岡山に対して、ライバル心むき出しだったようで、県庁を姫路に持って来ようとしたり、後楽園に負けじと手柄山名古山霊園の整備を行い、新幹線を姫路に止めるべく停車駅を作らせたそうです。市町村合併も派手に行いました
そうした突進型の「石見ブランド」イメージが、当時を知る年配層を中心に形成されているのではないかと思います。

石見利勝市長は、施策には何事にも背景や理念があると言います。戦後復興期と現在では背景が違う。いまは「共生」(参考 内閣府資料)の時代で、何かを潰して造ればそれでいいというまちづくりは通用しない。まちづくりには市民の参画が必要。例えば現在の大手前通りは公園化して、市民が楽しむ場所にしよう。今年4町との合併温泉地渓谷海洋地が一体になる。市民がどこにも出かけなくても、市内で楽しめ、地産地消で美味いもの食べてたら、観光客など人も集まる。

実際に話を聴いてみると、理念は出すけど決してワンマンというイメージはありません。市職員と一体となって、どこかに突進してしまう気がしない。
もし市民の持つイメージや期待との間にギャップがあるなら、「何もしない市長」「何も見えない市長」となり、市長の在任期間中は「失われたXX年」ということになりかねません。

「市民の参画」と言うのは簡単ですが、給料を貰ってもいない市の言うことを素直に聞く人など限られています。また、市民が参画するにはその理念を理解する必要がありますが、理念を理解するには、その伝達機会(手段)と受け手(市民)の理解力も必要になります。例えば小泉首相は巧みなマスメディア利用と理念のワンフレーズ化でメッセージを伝えることに成功しました。姫路はマスコミが貧弱なので、サンテレビ(神戸市)と姫路ケーブルテレビのスポンサー番組以外(在阪局の情報番組等)の伝達機会の獲得や、ワンフレーズで訴える研究が必要だと思います。当初マスメディアにも登場せず、また登場後もマスメディアで正論を正面から説いた小沢さんと、メディアの特性をうまく利用した小泉さんのその後の結果比較や、なぜクソ忙しい国会議員クイズ番組に出るのか、またそれを政党が許しているのかなど、市長の個人レベルの話ではなく、市役所内でも具体的に研究すべきでしょう。

マスメディアの現状は、相生ど根性大根を連日取り上げてみたり、報道の優先順位にジャーナリズム性も知性も感じられません(※2)。現状の特性を理解すれば、利用するのはさほど難しいとは思えません。

※2 相生市を非難するつもりはありません。むしろ、確信犯的にマスメディアを利用しようとしているなら賞賛もので、見習うべきです。

P.S.
市長は「姫路市は工業都市観光都市の両面を併せ持つ希有な存在だが、京都市や、30以上の大学がある岡山市に比べるとアカデミックな雰囲気が弱い。在任中になんとか地産地消にも応用可能な農学部を誘致したい」とのことでした。また、更なる合併については、「工業要素の性格が強い東播磨より、西播磨地域との合併を志向する」も、当面、具体的な動きはなさそうに感じました。

参考
役所何してんねん!(ハミング日記) - 「たかが1本の大根を移動させてる暇あるなら仕事しろ!」とのお言葉。相生市の職員がどんなに熱心に全国発信を試みても、理念が共有されてなければ、当然出てくる意見。
そこまでせんでも・・・ (うっちゃん’S ブログ) - 「やりすぎて市民団体から抗議が来なければ良いのですが・・・」とのことですが、抗議団体がでてくるほど市民が元気なら、役所がわざわざこんなくだらない活性化策を講じる必要もないわけで・・。でも逆に、他所に比べて市役所がこの手のことをやりやすいという優位性がありますね。

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この記事へのコメント

確かに岡山市は人口の割りに大学が多い都市ですが、さすがに30以上も大学はないと思います。大学は7校、短大は3校ぐらいだと思いますよ。専門学校をあわせると30以上になるかもしれませんが。ちなみに倉敷市にも大学が5校、短大が4校もあります。大学は質が重要であり、数があれば良いというものではありませんが、姫路の大学数は倉敷にも遠く及ばず、岡山県内では総社市、津山市、高梁市レベルです。兵庫県には神戸市や阪神間に大学、短大が多数あるので播磨地方に大学の必要性がなかったのかもしれませんが、これでは50万都市としてはあまりにも貧弱ですね。
Posted by K at 2006年02月05日 15:16

Kさんへ

コメントありがとうございます。
姫路から岡山の高校、大学に通学する人もいます。朝日小学校にスクールバスで通う児童も。
そういえば、楽天の三木谷社長は一時期、明石から岡山白陵中学に通学していたとか。その後、転校してますが。
Posted by miki at 2006年02月05日 16:27

はじめまして。TBありがとうござます。
その生命力が人々に感動を与えたど根性大根。生存の危機に陥ったらクローン技術で蘇らせる、本末転倒だと思います。テレビでその移送風景を見ましたが、それに群がるテレビカメラの数にも閉口しました。街の宣伝にはなっているのでしょうが…。
Posted by 犬博士 at 2006年02月05日 20:36

石見現市長とは何回かお話させていただいたことがあります。
初めてお会いしたのは立命の先生をされていた時で、
お話した後「もしかして・・・」と思ってあとで確認して
元市長のご子息と知った次第です。

母親からかねてより聞いていた元市長の話から自分が勝手に思い描いていた
イメージとはかなり異なっていたのが新鮮な驚きでした。
Posted by skyline@姫路出身愛媛在住 at 2006年02月06日 02:51

叔父が旧制姫高、息子が岡山白陵高出身ですが確か校歌は同じだったと思います。岡山白陵の創設者も三木氏だったと思いますが、ご関係は?。
神戸空港について詳細な記事はとても参考になりました。新幹線とリムジンバスは想定外でした。2-3日前に明石海峡上空の離発着訓練機を見ました。
兄もパイロットでしたが、元ANA機長のO氏http://homepage3.nifty.com/yoshihito/down-b.htmの作者は、必ずメールの返事が頂けるので、いろいろ教えてもらいました。
(一例)
>空港で離着陸訓練をする場合は1000フィートの高度(300メートル)を
飛ぶのが普通ですが、騒音に留意する場合には1500フィート(450
メートル)の場合もあります。しかし神戸空港は海上を飛ぶパターンなの
で高度1000フィートのはずです。
Posted by KG at 2006年02月06日 12:07

犬博士さんへ

コメントありがとうございます。
完全に街の宣伝モードになってますね。そんなにネタがある街でもないので、全国相手にはりきっているのだと思いますよ。
Posted by miki at 2006年02月06日 22:28

skyline@姫路出身愛媛在住 さんへ

コメントありがとうございます。
石見市長のモノレールの構想なんか、当時はさすがに誰もついていけなかったのでしょうね。
Posted by miki at 2006年02月06日 22:31

KGさんへ

コメントありがとうございます。
>岡山白陵の創設者も三木氏だったと思いますが、ご関係は?。

ありません。
三木という姓はたつの市と姫路市は全国有数の多さだと思います。
私が幼稚園の時、「三木」という姓はクラスに4人いました。
Posted by miki at 2006年02月06日 22:35

岡山人は教育熱心です。ジオスやベネッセも岡山です。ただ歴史や文化の保存に熱心なのは見習うべきです。近畿なら滋賀県も同じような感じかと。

姫路に必要なのは文学部ですね。姫路城ですら持て余している現状、書写・広峯・室津など京都文化のルーツになったり、京都文化の模倣だったりするものが数多くありますし、京都から貴人も色々来てます。別に京都に拘るわけではないのですが、姫路にあるものの発掘能力が弱い。県立大学の文学部が出来てザクザク発掘していけば面白かろう。
私は姫路は瀬戸内の小京都とでも名乗っても良かれと思ってます。
Posted by 姫路の人 at 2006年02月06日 23:48

姫路の人さん

コメントありがとうございます。
たつのが小京都と名乗ることがありますが、ああいうのは誰が言い出すのでしょうか。
姫路が小京都だというとたつのの人が気ぃ悪するだろうから、取りあえず、「播磨は小京都」と言うことにしましょうか・・・?
Posted by miki at 2006年02月07日 07:45
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