2006年05月12日

神姫バスだけが前払いにする理由

神姫バス(姫路市)の前払い式NicoPaカード

スルッとKANSAI協議会に加盟していながら、後払い式PiTaPaカードではなく、独自の前払い式NicoPaカードを発行した神姫バス。
非常に理想的に思えるNicoPaカードですが、どうして神姫バスだけが前払い式で、それ以外の交通機関が後払いに拘るのかという理由がわかりました。

PiTaPaはなぜ“ポストペイ方式”なのか――スルッとKANSAIに聞く(前編)(IT media)

JR東日本がやったSuicaは、自動改札機、券売機、定期券発行機、駅窓口のすべてを入れ替えるフルスペック方式。JRは会社も大きいですが、ちょうど磁気カードの更新タイミングだったから思いきってできたんですね。

しかしスルッとKANSAI加盟各社は、磁気カードを導入してまだ3年程度の時期にICカード化を検討しました。償却に通常5年から10年かかる設備をすべて入れ替えたり改造するのは大変。ただでさえ加盟各社には企業体力の差があります。
JRが非接触ICカードで勢いづくのを指をくわえて見ておくわけにもいかないところで、苦し紛れに考えたのが、後払いカードです。

後払いカードなら、券売機や定期券発行機の改修コストが不要。試算では5分の1で済むという話だったみたいです。

さて、神姫バスはというと・・。もともと磁気カードを発行していませんでしたから、全く白紙状態からの投資。だから、一番理想的な形を考えることができたのではないでしょうか。理想的に考えれば、いまある回数券と昼間お徳用回数券定期券をそのままICカード化するのが、常識的かつ現実的な判断です。

PiTaPaは完全に失敗だったと思います。予想を大幅に下回る利用率や、JRとの相互利用で結局精算機を設置したりしています。

ここは得意の企画型磁気カードだけを全面に出して、PiTaPaは無かったことにしたほうが・・。もちろん、本来の更新時期が来たら、一気加勢に責めればいいと思います。

P.S.
実際、各鉄道駅の現場では、そんな雰囲気なんじゃないのかな?

参考
混迷する? スルッとKANSAIの光と影 (372log@姫路)
スルッとKANSAIでGO!!(HAPPY WARS !!)- 姫路在住社会人1年生は、スルッとKANSAIのお得チケットに目覚めました。「いや〜、まさか神戸に行くのに山陽電車を利用することは無いと思ってましたけどね。」

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Posted by miki at 00:59│Comments(3)交通
この記事へのコメント

そうですね、当時Pitapaには定期券がなかったので、まずいと判断し独自路線を選択したと思われます。ただしスル関加盟の為Pitapa、ICOCAの片方向利用も採り入れてますね。
システム自体はレシープが作成しているようです。Felicaのファイルシステムデザインも奈良交通と同じですし、普通、徳用に分けられているのも同じです。ただモバイルニコパはサイバネ形式です。よって履歴は降車停留所しかはいらないようです。このフォーマットは伊予鉄道と同じでした。
Posted by ccmgr at 2006年07月02日 23:11

姫路地区の神姫バスもNicoPa運賃箱設置されつつあります。
今日みかけました。9月ぐらい開始でしょうか。
Posted by ccmgr at 2006年07月02日 23:14

ccmgrさんへ

コメントありがとうございます。
現行の定期や回数券を置き換えることができるのかどうかは、大きな違いのように思います。
私も、姫路駅発路線で「ICカード調整中」の紙が貼られた装置を見ました。まもなくと思われます。
Posted by miki at 2006年07月03日 06:26
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