2014年08月11日

拍手の無い演劇。「余白」を楽しむ日本人の智恵

まねきホール姫路市北条

国重要無形文化財の保持者団体・日本能楽会員に追加認定されることになった、江崎敬三さんのお話を伺う機会がありました。

普段、に触れる機会などないので、勝手なイメージを持つわけですが・・。
予想に反して、とにかく明るいかたです。
40歳ですが、今でもドラえもんを観てらっしゃるそうです。

能は、演技と演技の間の静寂を楽しむ演劇です。観客が、その静寂の中でいろいろなことを想像して楽しむ。
だから、演技が終わってもその余韻も楽しみたい。
通常の演劇であれば、最後に拍手をしますが、演者としては、拍手で静寂を掻き消してしまうより、静寂の中で余韻を楽しんで欲しいと思っています。

むしろ拍手が無い方がいい。最近はそういう動きもあるそうです。

静寂という余白を楽しむ- Globalism of Mindfulness Meditation(ヴェーダライフ・サービス・センター)
日本には多くの禅文化があります。それは書、絵画、能、茶の湯などなど。例えば墨絵は墨の濃淡だけでなく余白の白を空間として活かすことで描かれた部分の臨場感や奥行きが際立って見える表現法です。
大河ドラマ「軍師官兵衛」にも登場する千利休(千宗易)に代表される茶の湯文化も、戦国の不安定でストレスにさらされる武将にとって必要な、心を落ち着ける場所として利用されていました。

「余白」を楽しんだり、日常に取り入れてきた日本人の智恵を、現代人も思い起こしたいものです。

参考
能が終わっても拍手はしないで!(拍手いや~んの会)
江崎敬三さんが日本能楽会員に認定(372log@姫路)
「能は劇団四季、狂言は吉本新喜劇みたいなもの」(372log@姫路)

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Posted by miki at 00:05Comments(0)文化