2014年04月19日

神戸の大学が定員割れで募集停止

神戸夙川学院大学神戸市中央区

少子化で定員維持が難しい大学が増えています。
さらに資産運用のミスで損失を出した学校も。

神戸夙川大が新入生募集停止 財政悪化、定員割れ(神戸新聞NEXT)
資産運用で「デリバティブ(金融派生商品)」取引を行ったが、08年のリーマン・ショックの影響で多額の損失を出したという。
当時、図抜けて巨額の損失を出したのは慶応義塾大学でした。

慶応大学の資産運用、含み損が535億円に拡大(不景気.com)
2008年度に慶應義塾大学が資産運用に失敗し、535億円の含み損のうち、学校会計基準に照らし約170億円を評価損として計上した結果、収支決算では269億円の支出超過(赤字)に陥ることになりました。
学費や医療収入などは安定した収益を確保しており、金融市場も徐々に回復基調にあることから、今後は収支の改善が可能だと見込んでいるようです。
現在の運用成績はというと、全国トップに転じているようです。

資産運用の収入ランク 慶応首位35億円 (日本経済新聞)
資金運用の自由度が高い私立大学を対象に、2012年度に金融商品への投資などで得られた収入を示す「資産運用収入」の額が大きい順にランキングしたところ、慶応義塾大が35億円と前の年度の2位から浮上した。
結果的には、巨額の損失を学費や医療収入などの安定収入で持ちこたえたということでしょう。

神戸夙川学院大学は、定員を大幅に上回るような受験料収入を得る事もできず、財政の回復ができなかったようです。

私立学校は優れた教育内容かどうかとは別に、学校運営の良し悪しが存続にまで繋がります。
最近、(それが可能な)各大学が大規模化しているのも、スケールメリット(規模の経済性)を活かして経営を安定化しようとしているため。しかし、定員を増やしてもそれだけの志願者を確保できない学校は、そうしたマンモス校に受験生を取られてしまいます。

良質で特色のある教育を細々とやっている大学が生き残るのは並大抵ではありません。

上智大学南山大学と姉妹校のカトリック系大学も募集停止中です。

キャンパスに学生ゼロ 14年春 尼崎・聖トマス大学(神戸新聞NEXT)
同大学は1963年に英知大学として開学し、2007年に現校名に改称した。現在は人間文化共生学部のみで、定員割れによる赤字で10年度から新入生の募集を停止。
自分が卒業した学校の後輩がいなくなる。今後は、何も特別なことではなくなるでしょう。

慶應義塾はうまく乗り超えることができましたが、たとえ伝統校でも財政難になれば、後輩を受け入れることができなくなる恐れがあります。
こんな時代に大学で学ぶ意味を、入学前・後にかかわらず、学生自ら考えておく必要があるように思います。

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Posted by miki at 18:08Comments(0)学校